今日のテーマ「スプレッド」
From 浅野敏郎
皆様、初めまして。
これから、毎週金曜日を中心に、
基本的にはFXに関する知識やテーマについて、
少しでも皆様の
お役に立てるような情報を配信して参りますので、
どうぞよろしくお願い致します。
配信致しました内容に沿ったことであれば、
今さら誰にも聞けないような初歩的なご質問にも、
どんどんお答え致しますので、
恥ずかしがらず、コメント欄へメッセージを残してください。
私は1985年から、
外国為替の市場関係者として業務にあたってきました。
新人時代ではありましたが、
プラザ合意の瞬間も市場に立ち会っており、
当時の光景は今でも目に焼き付いています。
また、現場を離れた後でも、
FX事業の立ち上げやマーケット情報の配信など、
外国為替との縁は続いており、
今もこうして「投資の学校」の一員として
公式ブログの執筆を担当する機会を得ていることを
幸せに思います。
今日のテーマ「スプレッド」
ではさっそくですが、今日のテーマは
「スプレッド」についてお送りします。
スプレッドってそもそも何?
というあなたへ、
例えば今あなたは、この夏休みにハワイへ行くため、
日本の円をアメリカドルに交換しようとしています。
このことをFX的にいうと、
あなたは円を売って、ドルを買おうとしています。
一方、あなたの友達は、既にニューヨーク旅行から帰国し、
余ったドルを日本円に交換しようとしている、とします。
このことをFX的にいうと、
友達はドルを売って、円を買おうとしています。
FX事業者や証券会社の取引システムを開くと、
ドル円相場には、下の画像のように2種類の価格が示されていますね。
ドルを買いたいあなたは、高い方の値段
ドルを売りたい友達は、安い方の値段
に対して、注文を出すことと同じです。
※ただし、FX会社や証券会社のFX取引は証拠金取引と言って、
殆どの場合は実際に現金を売買または両替することはできないので
注意してくださいね。現金の両替は銀行の窓口や、空港の両替商が良いでしょう。
ところで、注文を受けた事業者の方は、
高い値段でドルをあなたへ売り渡し
安い値段でドルを友達から買いますので、
この価格の差が収益になります。
この2種類の価格差をスプレッドと言い、
写真の場合では、0.4銭がスプレッドです。
スプレッドがいつも収益になるとは限らない
一見、とてもオイシイ商売にも見えますが、
スプレッドが常に収益になるとは限りません。
例えば、今年6月24日の為替市場のように、
ブレグジットが決まった瞬間、ポンドが大きく売られ、
ドル円相場はその影響で、
激しい円高ドル安(円買いドル売り)に見舞われましたね。
こんな時は、誰もが円を買ってドルを売ってくるため、
引き受ける事業者は、ドルばかりが手元に残り、
売り渡す円の手当てが間に合いません。
そんな時は、高い値段で買い取ったドルを
しかたなく安く売って円を買うしかなく、
そうなると事業者は損失を出してしまいます。
激しい相場になるとスプレッドが広がるのは、
事業者や銀行が、
こうした損失リスクを防ごうとするからなので、
ある意味では仕方ないのです。
ただ、とても気になることは、
最近特に激しい相場でのスプレッドの開き方が、
極端になっていることです。
狭いスプレッドのおかげで、事業者や銀行の収益性は
低くなっているのは確かですが、
激しい相場で
火事場泥棒的な収益を目指す業者があるとすれば、
あまりお行儀は良くないですね。
皆さんも取引業者を選ぶ時には、
こんな点に注意してみても良いかもしれません。
それではまた次回をお楽しみに、
良い週末をお過ごしください。
浅野 敏郎
P.S.
取引事業者比較の具体的な方法としては、
まずは口座を複数開設し、
例えば、アメリカ雇用統計発表前後に
各社取引システムの表示価格を見比べれば、
その差は一目瞭然です。
また、一度荒れた後の提示価格が
通常のスプレッドに戻る時間なども比較できれば万全です。
もちろん、
最も早く通常のスプレッドに戻る事業者が親切です。
以前、いろいろな角度から総合的に見て、
FXトレードにお勧めの証券会社を3社選んだことがあります。
詳しくは↓↓こちらの資料↓↓でご確認ください。
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※現在の詳細については、各社のウェブサイトなどでご確認をお願いします。
お久しぶりです京都合宿ではお世話になった京都の徳田です。
あの時にはありがとうございました。
これからFXのお話しよろしくお願いします。
基礎の基礎から裏話など浅野さんのお話し楽しみにしています。
どうぞよろしくお願いします
お久しぶりです。
京都合宿は確か、本能寺のすぐ脇の宿泊施設が会場でしたね。
本能寺の変に遭った場所からは移転したそうですが、
そんな歴史的な環境の近くで合宿できたことは、不思議な感覚でした。
FX関連の話題やエピソード、了解いたしました。
徳田様からも、
何か基本的なことで再確認しておきたいことなどございましたら、是非、お聞かせください。
とても分かりやすい説明をありがとうございます。初心者です。私は、ただ儲けるだけでなく、しっかりといろいろな用語を理解してやるのが好きです。
コメント、ありがとうございました。
せっかくいただいたにもかかわらず、返信が遅くなり、
大変失礼いたしました。
スプレッドは一時、事業者の収益として手数料と同じ扱いとされ、
激しい引き下げ(この場合は狭小化ですね)競争が起こりました。
確かに狭いに越したことはないのですが、
問題はプログにも書いたように、その代わりとなる収益源がどこに確保されるか
という点ですね。
注文価格と実際の約定価格とに差が出るスリッページという現象が頻発したり、
動きが早い相場では、注文しても注文しても不成立となるなど、
事業者の収益源が、目に見えた手数料から形を変えてしまうと、
どんどん見えないところに行ってしまう可能性が出てきます。
取引で重要なのは、取引しなければならない時に、
確実に取引できることです。
重要な経済指標発表直後は、まずこの原則が叶いませんので、
やはり、避けた方が賢明だということになりますね。
取り上げて欲しい用語解説などありましたら、頑張って解説します。
あ、分らないことは分からないと申し上げますので、その時はご勘弁くださいね。
ごめんなさい。なにがなんだかわかりません。
何回か、読んでいるうちにわかるかしら????
マッチングの方法はいろいろあり、
事業者ごとの方法は必ずしも同じではないでしょう。
記述したテーマの中で、
私の言葉が足りずに、誤読を生じかねない点をご指摘いただき、
ありがとうございます。
まず、
私たち一般投資家がFX取引で相対するのは、証券会社やFX事業者になります。
だた、証券会社やFX事業者の先には、カバー先銀行という最終的な引き受け先があり
過不足などはカバー先で行う((顧客の指値注文などではなく)ため、
A:受けた注文より良い価格でカバーできたり、
B:受けた注文より悪い価格でカバーせざるを得ない
ことが相場次第であり得ます。
通常の値動きであれば、
スプレッドに織り込まれた収益を積み上げることになりますが
記事で挙げた例のように、値動きが荒い一方的な相場では、
スプレッドがあるからといって、
必ずしも事業者収益にならないBの場合を、説明させていただいた次第です。
最後に、
一般投資家の損益は、
自分が行った開始取引と決済取引の差額であり、
事業者とは直接関係はありません。
ただ取引の際に、事業者が極端に価格操作できる場合は、
ご指摘の利益相反となることも考えられますね。
よく比較なさってください。
新規注文の場合は買い注文を出せば誰かの売り注文とマッチングさせ、決済注文の場合は売り注文と誰かの買い注文をマッチングさせていると聞いています。スプレッドはそれぞれの注文時に発生するので必ず利益になっているのでは?この記事の記述では、顧客が利益を上げると証券会社の損失になっているように読めるのですが。
早く、実践したいです