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日本人の選択

皆さんは日本の近未来をどのように描いているだろうか? 
私は残念ながら悲観している。

もっともそれは、
自分自身や多くの日本人の人生に悲観しているという意味ではない。

分断化されつつある世界で、
日本政府が日本を導いている方向や手段に悲観しているのだ。

日本政府の方針によって、
日本人の生活が脅かされているのだ。

その意味で、我々、日本人はこうした世の中を嘆いて生きるか、
それとも何らかの方法で、自分で事態を打開し、
自分自身や周りの人々を守るかの選択に迫られていると言える。

その打開策としては様々な方法があると思うが、
私自身は「相場」を念頭に置いている。

相場とは非常に平等なところで、10%の利益は、巨額の投資をする人にとっても、
数万円の投資をする人にとっても、10%で変わらない。キャピタルゲインへの課税率も同じだ。

こうした分配率はこの世の中では、稀有な存在なのだ。

例えば、2021年の時点で米国のCEOの平均報酬は従業員の約400倍だった。

テスラのイーロン・マスクCEOなどは、「人類史上最高額」560億ドルの給与をめぐってまたまた裁判に直面しているぐらいだ。
参照:Tesla’s Elon Musk faces trial, again–this time over his $56 billion paycheck that’s the ‘largest in human history’
https://finance.yahoo.com/news/tesla-elon-musk-faces-trial-133831999.html

560億ドルは、金曜日の終値136円60銭で換算すると、
7兆6496億円にもなる。

日本でも東洋経済の調べでは、
2019年度の武田薬品工業の役員平均報酬は従業員平均年収の55倍強で、
日本一の倍率だったという。一方で、同社は同じ年に大量の人員整理を行った。

これほど極端ではなくとも、社長と新入社員の報酬が同じだという会社はどこにも存在しない。

つまり、相場は地位のない者、多くを持たない者にとって、
最も挑戦する価値が高いものだと言えるのだ。

10万円あれば、FXトレーディングで1、2万円の利益が小一時間で期待できる。

7万円あれば、日経先物ミニで2、3万円の利益が午前中だけで期待できる。

もっとも、損失の可能性は常にあるが、損失は常に限定できる。

また、そうした短期トレードのノウハウは、自動車の運転のように誰でも習得することができる。ここで難しいのは「心の問題」なのだ。

しかし、私が特筆しておきたいのは、何よりも、そうした利益も損失も、すべて自分がもたらしたものだということだ。

つまり、相場の世界では世の中を嘆いて生きる必要はなく、嘆いても始まらない。徹底した自己責任の世界なのだ。

これは同時に、自分自身さえ向上すれば、自分で自分の人生を引き上げることが出来ることを意味している。

日本人の選択とは、自分の人生を自分自身の判断で生きて、
潔くその結果をすべて受け入れるか、それとも、以下に述べるような環境を嘆いて生きるのかだ。

日本人が今、置かれている環境を述べておく。

日本政府は膨大な累積赤字を抱えている。

コロナ対策も、その後の支援も、防衛費の拡大も、すべて赤字国債で賄っている。

防衛費拡大のための国債発行はしないというのは詭弁で、
防衛費拡大に割当てたために不足した他の歳出財源のために国債発行をするということを「言い換えた」だけのものだ。

その国債残高は大き過ぎて、利払い費急増を考えると、インフレでも利上げもできない。

増税も利益に応じて課税するものでなければ、
生活や事業のコスト増に繋がり、景気後退に繋がる。

消費増税などは論外で、2019年10月以降12四半期連続でGDPギャップがマイナスだということは、
日本経済は10%の消費税でも耐えられないことを意味している。

消費税について付け加えると、5%に引き上げた1997年度から日本経済はマイナス成長に至り、2016年度に巨額の金融・財政の支出、計算方法の見直しなどで一時的にはその水準を上回ったものの、10%に増税後はまた1997年度以下の水準に沈んだ。

消費税についてもう1つ付け加えると、3%の導入後の翌年1990年度が税収のピークで、
それを30年間も更新できなかったために、累積赤字が拡大し続けた。

つまり、消費税の導入が税収を減らしたという事実があるのだ。
参照:日本の財政関係資料:一般会計税収の推移
https://www.mof.go.jp/policy/budget/fiscal_condition/related_data/202204_00.pdf

日本経済は5%の消費税でも、国民の追加負担としての社会保険料が大きすぎるために、
マイナス成長に至ってしまう。

ここからの消費増税は更に日本の国力を弱くし、
総税収をも減らす可能性が極めて高いのだ。

また、防衛費はどんなに拡大しても日本は守れない。
日本はエネルギーのほぼすべて、食料の大半を輸入に依存しているために、エネルギーなしで動く兵器、
食べなくても戦える軍隊を揃える必要があるからだ。

加えて、オリンピックで明らかになったように、
関東甲信越上空は米軍横田基地が管理している空域で、日本の航空機は飛ぶことができない。

つまり、日本の首都の防空は自衛隊ではなく、米軍が担っている。

日本政府が日本の国防を本気で考えるならば、日本の体力を奪う国防予算の拡大ではなく、米軍の空域を取り戻すところから始めるべきなのだ。

また、ウクライナ戦争が示唆しているのは、米国はウクライナへの武器支援はするが、
米軍自身は戦わないということだ。

仮定の話として、近未来の台湾有事における日本参戦時でも、
日米安保条約が第三次世界大戦に繋がる懸念があるという理由で、
米軍が参戦しない極東の局地戦に留められ、世界第2位の経済と第3位の経済の共倒れを見守られる可能性があるとさえ言えるのだ。

日本政府は何があっても米軍が日本を守ってくれる。

首都の防衛は、日本人の自衛隊ではなく他国の米軍に任せた方が安全だと信じている(ふりをしている)に過ぎない。

そんな中での防衛費拡大は、単に兵器産業を喜ばせるだけとなる。

1989年度以降の日本の政策は、悉く日本の体力を奪うものだった。

結果的に、上記の日本の財政関係資料に見られるように、
世界経済の優等生だった日本の公的債務はGDP比で世界最大となり、
政府の保有資産と相殺した純債務でもレバノンに次ぐ大きさとなるなど、この面では世界でビリとなった。

レバノンと言えば、その首都ベイルートが、
かつては中東のパリとの称されるほど栄えた国だったが、近年は困窮し国民の預金口座が封鎖されているために、
家族の医療費の支払いのために銀行を襲って、自分の預金を引き出して逮捕されたことが報道されていた。

参照:Depositors hold up two Lebanese banks to grab their own money
https://www.reuters.com/world/middle-east/woman-holds-up-lebanese-bank-13000-her-own-money-advocacy-group-says-2022-09-14/
レバノンだけでなく、南米のパリと呼ばれたブエノスアイレスを首都とするアルゼンチンも、債務不履行の常連国となってしまっている。

こうしたことが、ジャパン・アズ・ナンバー1とまで呼ばれた日本でも起こらないとの保証が、将来的にはなくなってきた。

世界一の債務国である日本がそれなりの信用力を保っているのは、民間に資産があるからだ。政府の債務残高が純債務より少ないのは、政府にも資産があるからだ。しかし、上記の日本の財政関係資料に明記されている政府資産とは、国民の年金資産だ。つまり、日本政府は日本の民間の力の上に胡坐をかいている。かつては「経済一流、政府は二流」と言われた日本が、政治によって経済も二流に引きずり落されたのだ。

その年金だが、2022年7-9月期の運用で、国内債、国内株、外国債、外国株すべての運用でマイナスだった。これが続くと、これまでの10数年間に繰り返されてきたように、支給額の減額、保険料の引き上げが今後も続くことになる。

これまで何度も繰り返しているが、2021年までの世界の金融政策は異常だった。これは政策当局自身が、自分たちの政策を未曽有、前代未聞、異次元などと呼んできたことでも分かる。そして、今行っていることを「金融の正常化」と呼んでいる。

何が異常だったのか? ほぼゼロ金利政策や、マイナス金利政策だ。経済成長率を遥かに凌駕する資金供給だ。これが正常化することは、随所でバブルが崩壊し、株価や債券価格が下落することを強く示唆している。
参照図01:米株価と米連銀の資金供給(出所:ウォールストリート・ジャーナル)

このことは、日本の年金運用が困難になり、支給額の減額、保険料の引き上げが加速することも示唆している。
参照図02:日銀の資金供給の推移(日銀)

それでも、日本はまだ民間が強いために、政府はその借金のほぼすべてを国内で賄うことが出来てきた。ところが、日本の民間資産を増やしてきた大本ともいえる貿易黒字が赤字に転じ、その傾向が続きそうなのだ。

米国から問題視され、プラザ合意を含め様々な外圧を受けてきた日本の「膨大な」貿易黒字が13兆円を超えたのは、1986年の13.7兆円、92年の13.5兆円、93年の13.4兆円、98年の14兆円の4回だ。一方、今年の貿易赤字は1ー10月で既に15.8兆円に達している。これが続くと、民間の資産がエネルギーなどの購入のためにどんどん失われていくのだ。
参照図03:日本の貿易収支(出所:財務省)

また、日本の公的債務の拡大を見ていると、どこかで民間の資産を没収して穴埋めするしかないように思えてくる。そんなこと出来るのかと思われるだろうが、実のところ世界や日本の歴史、現在の世界を見ていても、一国の政府が民間の資産や、他国の資産を没収することは「理由さえあれば」当然のことのように行われるのだ。

ロシアやウクライナで徴兵が行われたように、それまでは考えられなかったようなことでも「有事」の際には正当化されてしまう。民間の資産の没収も同様だ。

米中ロの戦略、核保有国の行動を見ても、日本を取り巻く環境を楽観視することは難しい。有事がないとは決して断定できない。また、国内の政治は、日本を弱くする勢力に操られているのかといぶかしむほど酷いものだ。そんな政府が政府の破綻を防ぐために、民間の資産を巻き上げる可能性はゼロではないのだ。

とはいえ、成功したスポーツ選手などが異口同音に口にするのは、環境を嘆く暇があれば、自己の鍛錬を続けるということだ。また、ほとんどの人にとって環境に恵まれることの方が、実のところは珍しいことでもあるのだ。そんな、自分の力でどうにもできないことを嘆いても仕方がない。どんな環境下でも、自分の力さえ高めれば、何かが変わると信じることだ。

日本人は今、大きな選択に迫られている。安全とは呼べなくなった世界や、経済的に悪化し続ける日本の生活環境を嘆くか、自分の人生を自分自身の判断で生きて、潔くその結果をすべて受け入れるかだ。

私が提案する選択肢の1つとして相場を例に挙げると、成功すれば自分の人生が開け、周りの人たちを守る力が得られる。一方で失敗すれば、それを教訓に新たな努力目標が見つかるのだ。破滅しないようにリスク管理さえ怠らなければ、常に前向きの、愚痴とは無縁の、自己責任の人生を過ごすことが満喫できるのだ。

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  1. 福薗俊夫

    ご注告ありがとうございます。

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