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もはや社会保障や公的年金だけに頼ることはできない

こんばんは、矢口新です。

日本のエンゲル係数が過去43年で最高となった。
これは貧しさの指標だとも言われている。

実際のところ、贅沢な食事に多くのお金を使っていた
バブル期など飽食の時代よりも食費にお金がかかっているのだから、
日本は貧しくなっていると言えるのだ。

また、世界各国の年金制度のベンチマーク
「マーサーCFA協会グローバル年金指数」の2023年度版によれば、
ほとんどの国の年金制度は少子高齢化、政府債務の増加、高インフレによってストレスにさらされており、「退職後の生活は全世界でかつてないほどの圧力にさらされている」とされた。

マーサーの主執筆者は
「もはや社会保障や公的年金だけに頼ることはできない」と述べた。

ランキングでは、調査対象47カ国中、
オランダの年金制度の総合指数が最も高く85.0、
アイスランドが83.5、デンマークが81.3と続いた。
最も低いのはアルゼンチンの42.3だった。日本は30位で56.3だった。

同指数は、
マーサーとCFA協会が共同で2009年に対象国11カ国から始めたもの。

参照:マーサー 「グローバル年金指数ランキング」(2023年度)
https://www.mercer.com/ja-jp/about/newsroom/global-pension-index/

日本の社会保障や公的年金については、拙著をご参照頂きたい。
著書案内:日本が幸せになれるシステム・65のグラフデータで学ぶ、年金・医療制度の守り方(著者:矢口 新、ペーパーバック版)

同書では日本経済が抱える多くの問題点を、多くのグラフ指標を用いて解説しているが、先週にも日本経済の衰退を象徴するニュースがあった。

それに関する英文ニュースは下記の日経アジアや、共同通信、ジャパンタイムズなどが報道していたが、海外では、グーグルや米英メディアのホームページで検索しても見つからなかった。もはや日本の凋落はニュース価値すらないのかも知れない。

(以下に翻訳して引用、URLまで)

「日本のGDP、2023年にドイツに抜かれる。IMF予想。ドイツの名目GDPが今年、日本のものを追い抜きそうだ。円安と、欧州でのインフレがドイツの国内総生産を米ドル建てで押し上げると、国際通貨基金(IMF)が予測した。

2000年には、日本の経済は4.96兆ドルと今よりも大きく、世界第2位の大きさだった。当時の日本経済はドイツのものより2.5倍大きく、中国のものより4.1倍大きかった。その年の初めの為替レートは1ドル105円ほどだった。

中国は2010年に日本を抜き2位となった。今年の終わりには、中国経済は日本のものより4.2倍の大きさになると見込まれている。」

参照:Japan’s GDP to be overtaken by Germany in 2023, IMF forecasts
https://asia.nikkei.com/Economy/Japan-s-GDP-to-be-overtaken-by-Germany-in-2023-IMF-forecasts

世界経済が拡大するなかで、20数年間も停滞している日本の経済が相対的に下げていくことは自明の理だ。そこにインフレが来ているので、日本人の生活は確実に貧しくなっているのだ。賃上げや政府の補助は、インフレの痛みを和らげるためのものなので、痛みそのものがなくなったり、逆に豊かになったりするものではない。

先日、1929年生まれの叔母が他界した。10年ほど前から入居していた施設で逝去したが、生涯独身で、国家公務員として定年まで勤め上げた人だったので、さぞかし多くの年金を受け取っていたと思っていた。先日、私が相続人の代表となっているので、居住していた市から、「令和5年度市民税・県民税税額変更(決定)通知書」なるものが届いた。

年金収入は238万4262円だが、社会保険料22万6400円など様々なものが差し引かれ、合計所得金額は128万4262円だった。そして、死亡後の市民税・県民税として10月末までに1万6700円、来年1月末までに1万6000円を支払えとの通知だった。生前には叔母が、年金給付額がどんどん削られると嘆いていた意味が分かった。

上記の「グローバル年金指数ランキング」では、日本の年金制度に改善が見られるとしているが、給付額を減らすことで、年金制度維持の確率が高まっているのに過ぎない。

叔母の銀行口座を見て、生命保険には加入していなかったことが分かった。これは、生涯独身だったので納得がいく。そして、残高は施設への残金や葬儀費用などでほとんどなくなった。定年後に住んでいた住居だけが相続人たちに残されたが、地方都市の一人暮らしの駐車場もない築30数年の不便な家は、身内の者たちにさえ、引き取り手がいないような状態だ。我々は、損さえ出なければ御の字だという理解でいる。

社会保険料の負担が重いために、若い人たちは高齢者の犠牲になっているとの見方もある。その高齢者の、元国家公務員の実情がこうしたものだったのだ。

ちなみに、「グローバル年金指数ランキング」で2012年にトップとなり、以降もトップ3の座を維持し続けているデンマークでは、国民の社会保険料負担はゼロだ(ちなみにアイスランドでも)。上記の拙著ではそのからくりにも触れ、日本も見習えば「幸せになれるシステム」が築けると提案している。

・もはや社会保障や公的年金だけに頼ることはできない

日本のエンゲル係数が過去43年で最高となった。これは貧しさの指標だとも言われている。実際のところ、贅沢な食事に多くのお金を使っていたバブル期など飽食の時代よりも食費にお金がかかっているのだから、日本は貧しくなっていると言えるのだ。

また、世界各国の年金制度のベンチマーク「マーサーCFA協会グローバル年金指数」の2023年度版によれば、ほとんどの国の年金制度は少子高齢化、政府債務の増加、高インフレによってストレスにさらされており、「退職後の生活は全世界でかつてないほどの圧力にさらされている」とされた。

マーサーの主執筆者は「もはや社会保障や公的年金だけに頼ることはできない」と述べた。

ランキングでは、調査対象47カ国中、オランダの年金制度の総合指数が最も高く85.0、アイスランドが83.5、デンマークが81.3と続いた。最も低いのはアルゼンチンの42.3だった。日本は30位で56.3だった。

同指数は、マーサーとCFA協会が共同で2009年に対象国11カ国から始めたもの。
参照:マーサー 「グローバル年金指数ランキング」(2023年度)
https://www.mercer.com/ja-jp/about/newsroom/global-pension-index/

日本の社会保障や公的年金については、拙著をご参照頂きたい。
著書案内:日本が幸せになれるシステム・65のグラフデータで学ぶ、年金・医療制度の守り方(著者:矢口 新、ペーパーバック版)

同書では日本経済が抱える多くの問題点を、多くのグラフ指標を用いて解説しているが、先週にも日本経済の衰退を象徴するニュースがあった。

それに関する英文ニュースは下記の日経アジアや、共同通信、ジャパンタイムズなどが報道していたが、海外では、グーグルや米英メディアのホームページで検索しても見つからなかった。もはや日本の凋落はニュース価値すらないのかも知れない。

(以下に翻訳して引用、URLまで)

「日本のGDP、2023年にドイツに抜かれる。IMF予想。ドイツの名目GDPが今年、日本のものを追い抜きそうだ。円安と、欧州でのインフレがドイツの国内総生産を米ドル建てで押し上げると、国際通貨基金(IMF)が予測した。

2000年には、日本の経済は4.96兆ドルと今よりも大きく、世界第2位の大きさだった。当時の日本経済はドイツのものより2.5倍大きく、中国のものより4.1倍大きかった。その年の初めの為替レートは1ドル105円ほどだった。

中国は2010年に日本を抜き2位となった。今年の終わりには、中国経済は日本のものより4.2倍の大きさになると見込まれている。」

参照:Japan’s GDP to be overtaken by Germany in 2023, IMF forecasts
https://asia.nikkei.com/Economy/Japan-s-GDP-to-be-overtaken-by-Germany-in-2023-IMF-forecasts

世界経済が拡大するなかで、20数年間も停滞している日本の経済が相対的に下げていくことは自明の理だ。そこにインフレが来ているので、日本人の生活は確実に貧しくなっているのだ。賃上げや政府の補助は、インフレの痛みを和らげるためのものなので、痛みそのものがなくなったり、逆に豊かになったりするものではない。

先日、1929年生まれの叔母が他界した。10年ほど前から入居していた施設で逝去したが、生涯独身で、国家公務員として定年まで勤め上げた人だったので、さぞかし多くの年金を受け取っていたと思っていた。先日、私が相続人の代表となっているので、居住していた市から、「令和5年度市民税・県民税税額変更(決定)通知書」なるものが届いた。

年金収入は238万4262円だが、社会保険料22万6400円など様々なものが差し引かれ、合計所得金額は128万4262円だった。そして、死亡後の市民税・県民税として10月末までに1万6700円、来年1月末までに1万6000円を支払えとの通知だった。生前には叔母が、年金給付額がどんどん削られると嘆いていた意味が分かった。

上記の「グローバル年金指数ランキング」では、日本の年金制度に改善が見られるとしているが、給付額を減らすことで、年金制度維持の確率が高まっているのに過ぎない。

叔母の銀行口座を見て、生命保険には加入していなかったことが分かった。これは、生涯独身だったので納得がいく。そして、残高は施設への残金や葬儀費用などでほとんどなくなった。定年後に住んでいた住居だけが相続人たちに残されたが、地方都市の一人暮らしの駐車場もない築30数年の不便な家は、身内の者たちにさえ、引き取り手がいないような状態だ。我々は、損さえ出なければ御の字だという理解でいる。

社会保険料の負担が重いために、若い人たちは高齢者の犠牲になっているとの見方もある。その高齢者の、元国家公務員の実情がこうしたものだったのだ。

ちなみに、「グローバル年金指数ランキング」で2012年にトップとなり、以降もトップ3の座を維持し続けているデンマークでは、国民の社会保険料負担はゼロだ(ちなみにアイスランドでも)。上記の拙著ではそのからくりにも触れ、日本も見習えば「幸せになれるシステム」が築けると提案している。

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