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巨人の星とスラムダンク

こんばんは、矢口新です。

日本のスポーツ選手の活躍が目覚ましい。

いくつも数え上げられるほどの多くの分野で、
世界的な活躍が見られている。

世界的なスター選手も何人も生まれている。

こうした選手たちの多くが
「ゆとり世代」であることは興味深いことではないか?

ゆとり教育と対極にあるのがスパルタ教育だ。

昔はスポーツ漫画、アニメでも、
スポ根(スポーツ根性)ものが当たり前だった。

一例を挙げれば、「巨人の星」だ。

これは父親の過激なスパルタ教育のおかげで、
プロ野球巨人軍のエースに成長する物語だ。

スパルタ教育で立派に育った選手は多い。

厳しい教育なので、落ちこぼれさえしなければ、
一定水準以上にはなれるからだ。

一方で、
相当数がついていけずに脱落者となってしまう。

しかし、
それは脱落者たちの能力不足を意味するものではない。

スパルタ教育では指導者のやり方が絶対なので、
他のやり方の可能性が閉ざされてしまうのだ。

他のやり方でも実力を発揮した選手たちは「自己流」を貫いた人たちで、
権威者たちによるスパルタ教育の世界では、孤軍奮闘を強いられた。

スポーツにルールがある限り、合理的なアプローチの仕方があるはずで、その意味では完全な自己流はあり得ない。一方で、どんなにスパルタ教育で鍛えられても、個人の能力は千差万別なので、指導者の完全コピーにはなり得ず、どこかに自己流が入る。

つまり、ゆとりでもスパルタでも最終的には自主性が必要なのだが、スパルタ教育では指導者が個々の選手の自主性をどこまで許容するかを決めることになるのだ。

スパルタ教育では指導者が「俺が責任を持つ」とされるので、選手はいわば素材だ。選手たちは従う必要がある一方で、自分で責任を持つ必要がない。このことは、スパルタ教育では自立心が阻害されることを意味している。

一方で、ゆとり教育では個々の選手の方から自主的に自分に合った指導者やアプローチ方法を探すことになる。誰もが自分で自分の可能性を追及していいのだ。

ゆとり時代には、漫画、アニメでは「スラムダンク」が出てきた。登場する選手たちは動機こそ異なっているが、それぞれに自主性を持ち、自立心に富んでいる。そして、そうした中から出てきたのが、スポーツ選手では競技は違うが、大谷翔平のような選手ではないだろうか?

大谷翔平は、日本を超えて、世界が産んだスーパースターだと言っていいだろう。しかも、そうしたスーパースターは1人だけではない。競技は違うが、井上尚弥もまた、大谷翔平と並び称されていい世界のスーパースターなのだ。

井上尚弥のどこが凄いのか、それを探るために、実際に井上尚弥と闘った選手たちにインタビューを重ねた著書がある。
参照:怪物に出会った日 井上尚弥と闘うということ 森合 正範 (著)
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000382821

本書のレビューを書こうとしたが、ご自身で読まないと本書の魅力が伝わらないように思うので、上記のページからの内容紹介を引用する。

(引用ここから)

「対戦相手の心情など知れる機会などなく、この一冊は自分が辿って来たキャリアを色濃くしてくれました」(2023年11月17日の井上尚弥選手のXより) 

「みんな、井上と闘うなら今しかない。来年、再来年になったらもっと化け物になる」
2013年4月、井上尚弥のプロ3戦目の相手を務めた佐野友樹はそう叫んだ。
それからわずか1年半、世界王座を計27度防衛し続けてきたアルゼンチンの英雄オマール・ナルバエスは、プロアマ通じて150戦目で初めてダウンを喫し2ラウンドで敗れた。「井上と私の間に大きな差を感じたんだよ……」。
2016年、井上戦を決意した元世界王者・河野公平の妻は「井上君だけはやめて!」と夫に懇願した。
WBSS決勝でフルラウンドの死闘の末に敗れたドネアは「次は勝てる」と言って臨んだ3年後の再戦で、2ラウンドKOされて散った。
バンタム級で史上初となる4団体統一を果たし、スーパーバンタム級初戦となったフルトン戦で2団体のベルトを獲得。2023年12月26日に4団体統一戦を控えた「モンスター」の歩みを、拳を交えたボクサーたちが自らの人生を振り返りながら語る。強く、儚く、真っ直ぐな男たちが織りなす圧巻のスポーツノンフィクション。

【本書の内容】
プロローグ
第一章 「怪物」前夜(佐野友樹)
第二章 日本ライトフライ級王座戦(田口良一)
第三章 世界への挑戦(アドリアン・エルナンデス)
第四章 伝説の始まり(オマール・ナルバエス)
第五章 進化し続ける怪物(黒田雅之)
第六章 一年ぶりの復帰戦(ワルリト・パレナス)
第七章 プロ十戦目、十二ラウンドの攻防(ダビド・カルモナ)
第八章 日本人同士の新旧世界王者対決(河野公平)
第九章 ラスベガス初上陸(ジェイソン・モロニー)
第十章 WBSS優勝とPFP一位(ノニト・ドネア)
第十一章 怪物が生んだもの(ナルバエス・ジュニア)
エピローグ

【著者略歴】
森合正範(もりあい・まさのり)
1972年、神奈川県横浜市生まれ。東京新聞運動部記者。大学時代に東京・後楽園ホールでアルバイトをし、ボクシングをはじめとした格闘技を間近で見る。卒業後、スポーツ新聞社を経て、2000年に中日新聞社入社。
「東京中日スポーツ」でボクシングとロンドン五輪、「中日スポーツ」で中日ドラゴンズ、「東京新聞」でリオデジャネイロ五輪や東京五輪を担当。雑誌やインターネットサイトへの寄稿も多く、「週刊プレイボーイ」誌上では試合前に井上尚弥選手へのインタビューを行っている。著書に『力石徹のモデルになった男 天才空手家 山崎照朝』(東京新聞)。

(引用ここまで)

本書に登場する選手たちの生き方はそれぞれに素晴らしいが、井上尚弥だけでなく、黒田雅之や河野公平の生き方は、私のような高齢者をも十分に刺激してくれた。

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