追いつめられる銀行
From 矢口新
自宅のトレーディングルームより……
おはようございます。
矢口新です。
投資の学校さんも5期目を
終えられたとのことで、
始まったころからかかわらせて
いただいていた身としては、
非常にうれしく思います。
私も皆さんに、
質のいい講義をお届けできるよう、
これからも精進していきます。
ところで、
大学3年生の方は、
そろそろ就職活動を始める時期なのかと思いました。
このブログをお読みの方のなかにも、
ご家族が銀行などの金融機関を志望している人もいるかもしれませんので、
銀行にまつわる話をしてみようと思います。
追いつめられる銀行
今年の春、スルガ銀行のシェアハウス「かぼちゃの馬車」をめぐる
不正融資事件が報道されたことを覚えている方も多いと思います。
最近、この事件をめぐるスルガ銀行の第三者委員会報告書が発表されたとのことですが、
「恫喝」や「家族皆殺し」など、信じがたい言葉が山のように出てきていました。
この部分だけでも、十分に異様な状況だったことがうかがえるはずです。
しかし、不祥事が起こっているのは、何もスルガ銀行に限りません。
2016年の商工中金のデータ
改ざんによる融資拡大以降、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の相場操縦や、東日本
銀行のさまざまな手数料の問題や歩積み両建て預金の依頼など、そこいらに不祥事はあるのです。
アメリカでも同様に、ウェルス・ファーゴ銀行が不正営業を働いたとして、当局から処分を受けました。
顧客に無断で口座を開いたり、クレジットカードを作成したりとめちゃくちゃだったようです。
ここから見えてくるのは、「すべての銀行が極めて厳しい環境にあり、
それが不正を誘発する」という事実でしょう。
右肩上がりの時は、みんないい人
実は私も、銀行勤めをしたことがあります。
そうは言っても、ディーリングルームで働いていたので、一般の銀行業務の経験はありません。
しかし、機関投資家相手のセールスとして、金融機関と話した経験はあるので、
銀行がどういう形で収益を上げているかは知っています。
特に、融資業務はこげつきなどのトラブルと隣り合わせです。
取り立て時の銀行員は「背広を着たヤクザ」とまで言われるくらいだから、相当なものでしょう。
なので、先ほどの「家族皆殺し」という物騒な言葉も、不思議ではありません。
「カネの世界」と言ってしまえば、確かにそうです。
そして、銀行というビジネス自体が、右肩下がりなのも事実です。
ITの進歩により、調達者、運用者が直接金融よりも直接的に取引を行うことができる以上、間にたって何かをやる必然性は減っています。
その中で、現場に焦りが生じるのも無理はありません。
最後に、私が昔、知人である大手生保の年金運用部長から聞かれた
「どこの会社の上司が働きやすかったですか?」という質問に答えたときのことをお教えしましょう。
「右肩上がりの時は、みんないい人。右肩下がりでは、いい人を探すのは難しい」
右肩下がりの時は、生き残りをかけて弱者を探して加害者になるリスクはやはり高まるのです。
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幼馴染2人、2つ上と2つ下、銀行に勤めていましたが、一人は支店長代理、もう一人はわかりません、若くして、というか、働き盛りの時に亡くなりました。時期はたぶん、右肩下がりの前後だと思います。
多分激務だったのでしょう。
大学の時の先生に、元銀行員の人がいました。午後3時に窓口を占めるので良い会社だと思ったとおっしゃっていました、それが、残業が多いので早々に退職したというのが本音でした。
見た目きれいかもしれないが、中身は人間のする仕事ではないようですね。
組織から離れて、気楽な個人投資家、anchoriteでした。
こんばんは。
コメント、ありがとうございます。
お友達も、
相当大変だったのでしょうね。
(ご冥福をお祈りいたします。)
おっしゃる通り、
銀行は華やかには見えますが、
お金が絡む仕事である以上、
やはりきれいごとだけでは済まないのが事実です。
「自分にとっての幸せとは何か」
を考えたうえで、行動していきたいですね。
またご覧になっていただけると嬉しいです。
引き続きよろしくお願いいたします。