分からないものは見ない
From 矢口新
自宅のトレーディングルームより……
おはようございます。
矢口新です。
日産のカルロス・ゴーン会長が逮捕されたことで、
同社の株式に売り注文が殺到しました。
こういうことがあると、
「ガバナンスとは何ぞや」
という気分になります。
このように、
思いがけないことが起こるのが相場です。
だからこそ興味深いのですが……
さて、興味をもって物事を見てみると、
いろいろと学べるものは多いと思っています。
しかし、興味を持っていないと、
学べるものはさほどないという話を、
今日はさせてください。
パソコンを使わないサイバー安全対策大臣
「パソコンを使うことはない」-
これは、桜田義孝五輪担当大臣の国会での発言です。
海外メディアは、
「日本のサイバー安全対策大臣は一度もコンピューターを使ったことがない」
「同氏が日本のサイバー対策を形作ることになる」
と揶揄する報道を行っています。
確かに、パソコンを使わない人を
テロリストのターゲットになるイベントの担当大臣にさせるなんて、
笑えないジョークのように思えるのかもしれません。
彼の言い分は「25歳のころから、従業員や秘書に任せてきたので、
自分ではコンピューターを使用しない」とのことです。
そんな状態で仕事ができるのかと思いましたが、
「大臣が『コンピューターのスキルがない人
がどうやって、セキュリティ戦略の任務をこなすのか』
と問われた際、彼の事務所や政府の複数のメンバーらが方針を決定すると回答した」
とも話しています。
執務室のパソコン
パソコンがらみで、こんな報道もされていました。
中西宏明経団連会長が今年5月、経団連会館 23 階の会長執務室にを持ち込み、
職員にメールで仕事の進捗を聞くようになったそうです。
「いや、それはどこの会社でもあることでは……?」と思われるかもしれませんが、
なんと、執務室にPCが置かれたのは初めてだとか。
経団連の歴代会長だって、パソコンを使って仕事をしてきた人が多いはずです。
それにも関わらず、執務室にパソコンを持ち込んだのがここまで話題になるのは、
「25歳のころから、従業員や秘書に任せてきたので、
自分ではコンピューターを使用しない」人たちばかりだったのでしょうか。
分からないことには興味すらない
極端な話、火器を扱えない防衛大臣がいてもいいし、
田植えを知らない農林水産大臣がいてもいいでしょう。
大臣や会長は、大局的な面からものを見て判断を下すので、
細かいことは知らなくてもいいのかもしれません。
受験勉強がそうであるように、必要最小限のことを
わき目も降らずに効率よくこなしたからこそ、大臣や会長になれるのかもしれません。
ただ、私が嫌だと思うのは、「やる気のなさ」です。
自分の仕事にもあまり興味がないのかな……と思ってしまいます。
皆さんご存知の通り、ここ数年、公文書改ざんや安全にかかわるデータの改ざんが目立ちます。
最終責任者たちは一様に「自分は知らない」と言っていますが、もしかしたら、知ろうともしていないはずです。
わからないことには興味すらないーこんな人が日本を率いているのだから、劣化していくのも当然かもしれません。
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