イラン情勢から見た株価分析について
From:戸松信博
自宅デスクより、、、
おはようございます。
戸松信博です。
では、今週の見通しを見ていきましょう!
今週の相場見通し
イラン情勢の緊張和らぎ主要株価指数は過去最高値を更新
テクニカルな理由から相場は近々自然な調整を余儀なくされる可能性
(1)グローバル相場見通し:
イラン情勢の緊張和らぎ主要株価指数は過去最高値を更新
【週間騰落率】
ドル(対主要通貨加重平均) +0.53% (97.36)
株 (S&P500指数) +0.94% (3,265.35)
商品 (CRB総合指数) -1.48% (184.13)
金(ニューヨーク先物) +0.50% ($1,560.10)
原油(WTI) -6.36% ($59.04)
債券(米10年債利回り) +3bpts (1.82%)
□ニューヨークダウ・ナスダック推移
年初からのイランを巡る地政学リスクの高まりは、前回の配信で
想定したように時間の経過とともに早くも落ち着き、主要株価指数は
再び過去最高値を更新しました。
ナスダック総合指数では、年初の取引開始日であった2日に大幅高で
最高値更新したものの、イラン情勢によってその後3営業日高値更新を
中断しました。しかし、戦争はないと見るや8日、9日と連続して高値を更新し、
回復しています。休んでいた3営業日の間もごく僅かの下げ率
(0.79%安と0.03%)に留まり、チャートに危機の痕跡は殆ど見当たりません。
週間の上昇率はS&P500+0.94%、ダウ+0.66%、ナスダック+1.75%で、
金曜に下げたものの週末終値としてはいずれも過去最高値です。中東の緊張緩和に
よって原油価格は週間▲6.36%の大幅反落で、リスクオフで108円を一時割り込んだ
ドル円レートも109円台に戻り、長期金利も上昇しました。
いわゆる地政学リスクによるリスクオフムードが解けた様子です。これまでも
数えきれないほどの地政学リスクの高まりを見てきましたが(中東の様々な場所、
ロシアのクリミア半島、北朝鮮)、一度も危機が暴発したことなどなく、振り返って
みればあの話はどこに消えたのか、ということになるものです。
先週の米国市場も、イランがミサイルを米軍基地に発射した際に時間外の
指数先物が急落したり、テヘランで墜落したボーイング737型機がイランのミサイルに
よる可能性と伝わった瞬間に下げましたが、いずれも初期反応がパニック的な下げとなるもの、
数時間後には持ち直してくるという様子です。
個別では、米国で世界最大のデジタル技術の家電見本市(CES)が開催されている
こともあってハイテク株が買われ、アップル(AAPL)が週間5%高で310ドルを
超えてきました。グーグルの親会社アルファベット(GOOGL)も同5%高、
フェイスブック株(FA)も4%を超える上げ幅です。上海で最初の中国生産車の
出荷セレモニーのあったテスラ(TSLA)も同8%高で過去最高値を更新、
中国ハイテク株でもテンセントとアリババ(BABA)が3~4%の上昇となっています。
12月の米雇用統計が発表された10日(金)は反落となりました。
予想の15.8万人の増加を下回る14.5万人となり、平均時給の前年同月比での伸び率は
2.87%で18年半ば以来の低い数値となりました。平均時給は18年10月から
ずっと前年同月比+3%超で推移してきたところから、大きく下がりました。
先々週に発表された景況感が悪かったように、米中貿易戦争やボーイング社の
737MAX機の生産中止が製造業界に影を落としており、雇用にも陰りが伺えます。
ただ、この辺りはFRBとしても想定内で、それゆえ3度の利下げで金利を
下げてきた経緯あります。今後は株式市場が先に読み込んでいるように、
本当に回復するのかということになります。
企業業績を占う四半期決算が今週より始まります。例によって大手銀行株が、
火曜より順次10-12月期の決算を発表していく予定です。
(2)テクニカルな理由から相場は近々自然な調整を余儀なくされる可能性
□ナスダック総合指数
地政学リスクは落ち着いたのですが、それに関係なく、
テクニカルな理由から相場は近々調整を余儀なくされるかもしれません。
上はナスダック総合指数の週足ですが、丸印で示したように、
大体短期トレンドを示す10週移動平均線(日足の50日線に相当)から
+5%超、同時に長期線である40週移動平均線(日足の200日線に相当)から
+10%超乖離すると、近く調整に向かってきました。
どちらか一方だけでは当てはまらず、例えば昨年序盤の大きな反発局面では、
長らく10週移動平均線より+5%以上乖離する状況が続きました。
しかし大底からの急反発局面だったので長期線は上方に位置し、
5月までそれを+10%以上超えるに至りませんでした。
長短両方の平均線を大きく上回る局面というのは、長らくの相場上昇で
熟してきたところに、短期的にも高値更新続いて加熱する最終局面で、
久しぶりにそうしたポイントに昨年末から到達しています。
こうした加熱した状態が3~4週程度続くことはあっても、2ヶ月も維持できることはまずないと思います。
昨年末サンタラリーからの相場は少し出来過ぎのように思います。金曜日のダウは朝方に初めて
2万9千ドルの大台に到達したのち下げに転じ、133ドル安の28,823ドルで終わりました。
今週には米中貿易協議の第一弾の正式合意が署名される予定です。
地政学リスクは消えていく可能性高いですが、到達感によって自然な調整が近々ありえるとみています。
(3)イラン情勢受け週前半は日替わりで乱高下も、年初来高値で終了
日経平均 23,850.57円 週間+194円 *過去最高値まであと+63%要
□日経平均
相場判定(長期):上昇トレンド継続中(2019/11/02~)
相場判定(短期):上昇トレンド継続中(2019/09/05~)
注目セクター : 半導体、電子部品、機械
日本市場は時差の関係でより大きく中東情勢の影響を受け、米国市場が開く前に報道が
飛び込んできたことで動揺した様子です。
中東情勢緊迫化の第一報を受けた6日(月)の日経平均は、前週末比337円安で寄り付き、
さらに終値までに115円下げました。しかしその夜の米国市場が冷静さ見せると、
翌7日(火)は過度な警戒感が後退し、前日比115円高で寄り付いたのち、終値までにさらに256円値を上げました。
ところがイランがミサイル発射で報復と伝わった8日(水)朝は358円安で下げ戻しました。
しかし再び戦争は回避されるとの見方で米国市場が落ち着きを見せると、
9日(木)は326円高で寄り付き、終値までにさらに210円値を上げました。
この間、一部の防衛関連銘柄がストップ高を含む大幅高と大幅安を日替わりで繰り返しました。
しかしこのような銘柄は注目した時には高値にあり、いずれ急落することになるため、
うまく儲けることは難しいと思います。地政学リスクはいずれ相場材料から消えることになりますが、
どこまで続いて、どれくらい下がるかは分からないため、落ち着くまで相場参戦せず、スルーするのが最善の策と思います。
日経平均は一時23,000円を割り込んだものの、週末を年初来高値となる23,850円で終えています。
個別ではアップル株が快調に最高値更新を続けるのに合わせ、ハイテク株が好調です。
半導体製造装置関連や電子部品の村田製作所、太陽誘電が高値を取っているほか、
ソニー、日本電気(NEC)、富士通がそれぞれ強烈な週足陽線を出して好調な年初スタートを切っています。
アップルのサプライヤーで半導体のイメージセンサートップのソニーは
真っ先に業績が回復し、19年ぶりに時価総額10兆円を回復しました。
当時ピークで17兆円まで行き、その後のテレビ不振で1兆円割れまで下がった経緯あります。
日本電気と富士通は往年のパソコン銘柄で、19年前のITバブル時にソニーとともに暴騰しましたが、
今は両銘柄とも量子コンピューター関連としての期待があり、資金が流入しています。
今年もハイテクを中心とする二極化相場が続く可能性あり、米国の様子などから再びITバブルが来そうな雰囲気すらあります。
(4)今週の戦略
週末のダウは133ドル安、シカゴ日経先物は大証終値比125円安い23,675円で終えています。
中東情勢は早くも相場材料から消えると思いますが、特に米国株は昨年終盤からの連続上昇で、
これ以上続けて上昇するには、(さらに上がれば上がるほど)重くなると思います。
少し日本株のリズムも悪くなりだしており、12月27日以降、出来高を増やして下げた日が
3回ある一方、出来高を増やして上昇した日は一度もみられません。
さらにこの傾向が色濃くなれば、調整入りシグナルとなります。
もっとも、どんな相場も上がり続ける相場はないもので、このあと来る調整は自然な調整となる可能性が高いと思います。
―戸松信博
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