ハイテク株中心に大幅反発で最高値更新
From:戸松信博
自宅デスクより、、、
おはようございます。
戸松信博です。
米国市場、ハイテク株中心に大幅反発で最高値更新
日経平均は買戻され大幅反発、上昇転換は今週に持ち越し
(1)グローバル相場見通し:
米国市場、ハイテク株中心に大幅反発で最高値更新
【週間騰落率】
ドル(対主要通貨加重平均) +1.33% (98.68)
株 (S&P500指数) +3.17% (3,327.71)
商品 (CRB総合指数) -2.40% (170.12)
金(ニューヨーク先物) -0.91% ($1,573.40)
原油(WTI) -2.40% ($50.32)
債券(米10年債利回り) +8bpts (1.58%)
ニューヨークダウ・ナスダック推移
大幅安で終えた先々週末から一転し、先週の米国株は週初から大幅反発となりました。コロナウィルスによる感染者数は拡大の一途にありますが、ウイルスへの恐怖から景気減速への懸念に変わり、それに対して中国や米国が大規模な資金供給や利下げで対応し、景気を支えるとの期待も出てきている様子です。
また、致死率が比較的少なく場所も限定的であり、治療薬やワクチンの開発ニュースも各地から出てくるようになり、感染はまだ拡大を続けますが、恐怖感についてはピークを超えたのかもしれません。むしろ景気減速とその対応に注目が移っていると思います。中国が対米制裁関税を半分に引き下げたことも相場にプラスでした。
ナスダックが先行して4日(火)に1月23日以来となる最高値を更新すると、そこから3日連続で高値更新しました。6日(木)の終値では再び50日線から+6.2%乖離するところまで戻りました。続いてダウも過去最高値を更新し、50日線までの軽い調整から高値回復しました。ただし、出来高を伴った回復ではありません。
週間の上昇率は、ダウ+3.00%、S&P500+3.17%、ナスダック総合指数+4.04%でした。
コロナウィルスで大きく下げていたところが大きく上げ戻した週となりました。ハイテク銘柄が上昇を先導し、半導体株指数は週間+4.1%の大幅上昇でした。これでようやく年初来+1%に浮上したところです。マイクロソフト(MSFT)が+8%上昇するなど、大手プラットフォーマーのFAAMG銘柄や、中国のアリババ(BABA)、テンセント(00700)などが揃って大きく上昇しました。急騰続くテスラ(TSLA)は、後半急落したものの週間では+15%の大幅上昇で、早くも年初来+79%高となっています。
一方、上海総合指数は春節休場明けに大きく下がったのが響き、週間▲3.4%安で年初来でも▲6%です。香港ハンセン指数は週間+4.1%と大きく反発しましたが、こちらも年初来では▲3%で、まだ50日線を上に捉えるには至っていません。これらはまだ下落トレンドを脱していません。
米国株については、下げてはいたものの、そもそも下落転換までしておらず、9月からの上昇トレンドがずっと続いている形です。
(2)世界景気減速と金融緩和
1月の米国経済指標
1月の米国経済指標は強いものとなりました。雇用統計は市場予想の+16万人に対し、+22.5万人と大きく上振れしました。前回大きく下がっていた平均時給も、1月は前年同月比+3.12%増と引き締まっています。雇用市場は堅調です。
また5か月連続で後退を意味する50未満となっていたISM協会発表の製造業景況感指数は、1月に50.9となり、久々に中立以上となりました。サービス業の景況感も上昇しています。
今のところ米国経済は底堅く、企業業績も時価総額の上位を占めるネット企業やソフトウェア企業が好決算を連発しています。
ただ、コロナウィルスの震源地からも遠いとはいえ、これから中国発の停滞の影響が一部の製品に出てくるでしょう。テスラが高値から急落したのも中国生産車の遅れによるものでした。アップルのiPhoneなどにも何らかの影響が出てくるでしょう。こうした企業にとって中国は成長を牽引する販売先であり、製造拠点でもあるため、消費や部品の流れが停滞すれば悪影響は避けられません。
一方、昨年三度の利下げを完了して今年は現状維持の金融政策で行くと見られていたFRBですが、早くも市場では中国景気減速に合わせて年内利下げ期待も出ています。政策的にも大統領選挙の年であり、景気浮揚策が出やすいところでもあります。
世界景気減速の中で株価が下がると思っていると、緩和的な政策によって(バブル的な)上昇の総仕上げに入る可能性もあり、判断の難しい年になりそうです。
(3)日経平均は買戻され大幅反発、上昇転換は今週に持ち越し
※日経平均 23,827.98円 週間+623円 *過去最高値まであと+63%要
日経平均
相場判定(長期):上昇トレンド継続中(2019/11/02~)
相場判定(短期):下落転換(2020/01/27~)
注目セクター : 医薬品
日本市場は先々週末の金曜日に反発し、日経平均は2万3千円台を回復していましたが、先週は先々週末の米国大幅安を受けて3日(月)に22,775円の年初来安値を付けました。
そして4日(火)に再び反発して出直すと、5日、6日と連続して商いを伴って大きく続伸し、特に6日は中国の対米関税引き下げなどを受けて+554円の大幅高、東証一部の売買代金も3兆円の大商いとなりました。年初来高値更新とはなりませんでしたが、6日の高値で23,995円まで回復しました。
チャートや価格を見ると、どう見ても上昇転換しているように見えますが、安値から最初の反発(4日)を起点に、そこから3営業日の間はどれほど強い上昇が起きてもトレンドの上昇転換にはカウントしません。4営業日以降に商いを伴った強い上昇(これをフォロースルーと言います)が発生して初めて一連の流れが上昇トレンドに転じたと見ることができるものです。
短期間の急騰は単なる買戻しなど、長続きしない上昇であるかもしれないからなのですが、3日の安値から6日の高値まで、わずか3日間で+1200円以上も急騰するなど、少し異常です。実際6日は、造船、小売、空運、自動車、石油など、新型肺炎で大きく売られたところが猛反発しており、買い戻しが入った様子です。
その後、7日(金)は小反落したため、上昇転換は今週以降にお預けとなりました。週間では+623円の上昇で、丁度その前の週の下落幅を取り戻したところです。
とりあえず上昇転換にリーチが掛かった状態であり、今週に上昇転換する確率は高いのですが、あくまで過去と同じルールで判断し、上昇・下落を一連の流れで捉えていくようにします。
あまりこのようなケースは滅多にないのですが、米国が最高値を更新し、日経平均のチャートも一見上昇転換に見えるものの、中国発の経済停滞が及ぼす影響は日本の方が大きいため(インバウンド需要など)、上昇転換判断を急がず慎重にみていきたいと思います。
(4)今週の戦略
週末のダウは277ドル安、シカゴ日経先物は大証終値比165円安い23,665円で終えています。
前述のように3日間で1200円以上も一気に上げ戻し、一時のパニックが嘘のようです。実体経済というより殆ど心理で急落し、同じく相場心理の改善・期待によって急激に戻した様子です。
しかし、揺らぐ心理とは別に実際の経済はこれから着実にインバウンド関連や製造業において悪影響が中国発で出てくると思います。テレビで見るように中国で街が静まり返り、人やモノ(部品などのサプライチェーン)が止まっているような様子です。止まるというのは経済にとって最悪で、金融や政策での刺激策は採られるでしょうが、失速は少なくとも第一四半期に顕著に表れてくると思います。
日本の企業決算も増益より減益、上方修正より下方修正数の方が上回る状況のなか、第1四半期の失速が気になるところです。景気動向を表す指数もよくありません。
米国はITバブルのような相場になっており(テスラが代表的)、ナスダックが非常に好調ですが、上のような状況でダウ2万9千ドル、日経平均で2万4千円回復したところはどうなのか(二番天井かどうか)、まだ一段高に自信を持てないところです。
このため上昇転換も慎重に見ています。
ただし、フォロースルーの上昇がしっかり入って上昇転換と確認できれば、相場トレンドに従ってポジションを増やしていく必要があります。景気や業績が曇ってもバブル的に上昇することもありえるからです。
―戸松信博
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