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話題の相場操縦と仕組み

From 矢口新

最近、「相場操縦」を行ったとの嫌疑で、
某社の役員が逮捕されたと報道されました。

米国でもレディットというSNSに集った個人投資家が、
ロビンフッドというスマホ証券で特定の銘柄を売買していることが、
相場操縦に当たるのではないかとの調査が進められています。

私自身、図らずもある銘柄をストップ高にしてしまったことがあります。
マイナー市場上場の銘柄を、チャートだけを見て、
寄付き成行きで、金額指定で買い注文を入れました。

債券や為替では、通常の最低取引単位にも満たない金額だったのだが、
株式の小さな銘柄ではストップ高になりました。

結果的に全額買えましたが、買いコストは寄値近くではなく、ストップ高に近い方でした。
株価は数日間、その近辺で推移していました。
期待外れなので、私が売りに行くと、
相場はその時の寄値近くまで崩れ、結局、損を出すことになりました。

私は、流動性を考慮せずに売買したことを反省し、
授業料として損失を支払ったが、
これを利益にできる可能性がある方法は知っていました。

相場操縦です。

仮に、翌日も、翌々日も、ありったけの資金をつぎ込んで、
連日のストップ高をつけることができたとします。

コストはその日のストップ高近辺でも、
前々日、前日のコストと合わせれば、かなり低くなるはずです。

つまり、うまく売り抜ければ、利益を出すことができます。

しかし、私が売りに行って、
相場が崩れてしまったなら、大損する可能性もあります。

そこで、行うのが一種の宣伝です。

連日のストップ高を注目させ、
我も我もと買い手が現れるようにします。

レディットでの主導者はSNSでの個人投資家に買いを勧め、
「ぜったいに売るな」とまで発信しました。

レディットのケースでは、多くの銘柄が急騰の2、3日後には急落したので、
後から買った人たちは大損しました。

こうしたことが毎日のように行われているのが、
ここ数カ月の米国の株式市場です。

米国ではコロナ対策としてロックダウン(都市封鎖)が行われました。
自宅軟禁で時間ができた所に、給与減に勝る政府支援で、
かえって多くの資金を手にしました。

しかし、いつ職場に戻れるか分からないので、増やそうとしました。
目の前にはスマホ証券、確実な儲けを煽るレディットがありました。

こうして初めて株式の売買を始める人たちを食い物にしようとしたのが、
相場操縦なのです。

矢口新

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