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自分の間合いで戦う勝負師

From 矢口新

大相撲名古屋場所で、横綱白鵬が大関照ノ富士との全勝対決を制し、
7場所ぶり45度目の優勝を果たした。

36歳4カ月での優勝は千代の富士の35歳5カ月を更新する横綱最年長優勝記録。
照ノ富士は3連覇を逃したものの、優勝に準じる成績で場所後の横綱昇進が確実視されている。
来場所以降の両横綱の対決はこれまで以上に見ものとなるだろう。

白鳳は「勝ちたい」という闘志をむき出しにした相撲を取り、
勝利後には獲物を倒したライオンのような雄叫びすらあげた。

それまでにも、いわゆる「横綱らしからぬ」相撲を取り、
八角理事長などは「奇襲って言うのは弱い方がやるもの。

これだけ優勝している横綱がしてはいけない」と、不快感をあらわにしたという。

優勝45回は史上最多。6場所連続休場明けの優勝で大鵬の5場所連続を上回る。16年連続優勝、16回目の全勝優勝は1位。

参照:白鳳(日本相撲協会)

相撲、日本の武道、多くの格闘技に限らず、勝負事には様式美のようなものがある。

「きれいな勝ち方」というものがある。

私も昔、友人のファンドマネージャーから
「矢口さんは相場の美学を追求している」と言われたことがある。

確かに、市場をリードするような会社でディーラーをしていると、
「横綱相撲」を志すようなことがあったかも知れない。

とはいえ、私は常に勝つために、
自分が生きている市場を守るために、合理性を追求してきたつもりだ。

しかし大相撲では、そうした美学を追求するあまりに、
身体が小さいのに受けて立つ横綱相撲を取ったり、
怪我でも無理に出場して、現役時代を縮めてしまった横綱や大関が数多い。

そのように「期待に応える」ことが第一義となり、
勝負が二の次になっていいのだろうか?

白鳳は無理をせずに休む。

勤続疲労が出ていい年齢では、勝つためには必要だと言えるだろう。

相撲内容に関しても、周りの批判や非難を受けながらも、
ルールで許される範囲で、勝つための「自分の間合い」を保ち続けている。
本物の勝負師だ。

来場所以降の両横綱の対決はこれまで以上に見ものとは書いたが、
勝つためには、来場所も休むかも知れない。

それでもいいのではないか? 
どのような乱世にも通用する勝負師とは、そんなものではないのかと思わせる闘志だった。

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