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(矢口新)インフレ対策

こんばんは。
投資の学校プレミアム講師の矢口新です。

英中銀が利上げを発表し、
政策金利を0.15%引き上げて、
0.25%としました。

オミクロンよりインフレを恐れたとして、
2018年8月に0.25%引き上げて、
0.75%とした時以来の利上げとなりました。

前回はその後のコロナショックで、
2020年3月に0.10%に引き下げることになりましたが、
今回は利上げサイクルの始まりだと見なされています。

先週、利上げした諸国は、
他に、ロシア、ノルウェー、ハンガリー、
メキシコ、コロンビア、チリなどです。

これらの国々は連続の利上げで、
既に利上げサイクルに入っていると言えます。
いずれも、インフレ対策です。

日本でも値上げ攻勢が始まっています。

電気料金も例外ではなく、
以下のようなものになる見通しです。

「一般的な家庭の2022年2月の電気料金を21年9-11月に輸入した燃料価格から算出すると、東京電力ホールディングスは前月比330円高い月7961円程度となることが分かった。値上がりは6カ月連続で、16年の電力小売り自由化以降の最高値を更新する。関西電力は215円高い7418円程度、中部電力は351円高い7657円程度になりそうだ。

電気料金は燃料価格を自動で反映する『燃料費調整制度(燃調)』を踏まえて決まる。12月を起点とした場合、過去3カ月分の平均燃料価格を2カ月先の2月の料金に反映する。

火力発電への依存度が高い電力会社ほど、電気料金が上がりやすい。東電の電源構成に占める火力発電の比率は20年度時点で78%。」

日本では再生可能エネルギーや原子力発電の伸びが遅いので、
火力への依存が大きいとされています。

ちなみに、2019年度の各国の電源構成は参照図11のようになっています。

参照図11:各国の電源構成

また、新規発電の総原価は参照図12の通りですが、
ガスや石炭は2021年にはここから値上がりしています。

参照図12:新規発電の総原価

原子力発電のコストはここでも高いですが、
核のごみ処理など、廃棄までのサイクルを含めると、
ここから比較できないほど高くなります。

また、原子力発電所は日本海側に多く、
北朝鮮からのミサイル攻撃の標的になりかねませんが、
現状では、日本に迎撃する技術はありません。

一方で、
風力やソーラーは劇的に値下がりしています。

旧電源会社などの既得権を排除できれば、
日本でも最安の安定、安全な電力供給源になるはずです。

また、ESGとは、言い換えればエネルギー革命で、
化石燃料から再生可能エネルギーへの変換を世界的な規模で急いでいます。

このことは、
エネルギー源の多くを化石燃料の輸入に頼っている日本には朗報です。

風力やソーラー、水力発電の技術だけでなく、
水素、バイオなどで、エネルギーの純輸出国に転換できる可能性があるからです。

明治時代からの懸案となってきた、
エネルギーの安全保障も解消されます。

参照図13は、米国内の品目別の値上がりで、
+で表示されているのが前年比での値上がり率、
棒の長さは何年ぶりの大きさかということです。

参照図13:米11月の品目別値上がり率と、何年ぶりの大きさ比較

値上がり率が+58.1%と、
最も大きなガソリンは41年ぶりの上げ幅、
46年ぶりと棒が一番ながい男性・少年衣料は+7.8%です。

もっとも、
どの指標でも2割り近く上げている住居が+4.8%と、
よく分からない部分もあります。

例えば、
家賃では前年比で30%以上も値上がりしている都市がいくつもあります。

参照図14:米10月の家賃で、最も上昇率が大きかった都市

世界的な利上げサイクルに入ったことで、
インフレが落ち着いてくるという見通しがあります。

そうでなければ一大事です。
こんな値上がり率が継続すれば何年かで家賃が2倍を超えます。

とはいえ、ニューヨーク市の家賃の上昇率が今後仮に2%に収まったとしても、
2年前と比較すれば33%も高いです。

ホームレスが増え、社会が不安定になるのも頷けます。

米連銀の量的緩和は2022年3月で終わります。
利上げはそれからです。

これは、通貨の番人として、
政府から独立してインフレを注視すべき中央銀行としては、
遅すぎたのではないでしょうか?

世界は利上げサイクルに入っています。

日本経済に利上げに対応できる体力があるかどうかは分かりませんが、
不安定な要因が増えたのは間違いがないと言えます。

<講師プロフィール>

矢口新(やぐち あらた)

1954年生まれ。
金融業界の第一線で30年以上にわたり活躍し続け、
プロディーラーにも師と仰がれる天才ディーラー。

東京・ニューヨーク、ロンドンと世界3大金融市場で活躍し、
さらには為替、債券、株のすべてに関わるという
非常に稀有なキャリアを持つ。

相場を動かすプロの裏の裏まで知り尽くしており、
投資を真剣に学びたいという意欲ある方々との交流にも熱心。

■ 本日の出来高急増銘柄

※上昇銘柄の推奨などではありません。

※投資の学校の全講師の手法に使える、
銘柄選びの考え方です。

なぜ、
出来高急増銘柄が注目なのか、その理由と、
本銘柄を抽出した根拠はこちら。
https://youtu.be/xAVWjxMIq4c

売買の際には、ご自身でチャート分析、
ファンダメンタルズ分析を行っていただき、
売買をする際には自己責任にてお願いします。

【1】SBIホールディングス(8473)
株価(終値):2,897
日付:12月20日
売買代金(千円):9,424,769

【2】ヤマハ発動機(7272)
株価(終値):2,700
日付:12月20日
売買代金(千円):9,179,771

【3】荏原製作所(6361)
株価(終値):-
日付:12月20日
売買代金(千円):-

【4】住友ゴム(5110)
株価(終値):-
日付:12月20日
売買代金(千円):-

【5】スリー・ディー・マトリックス(7777)
株価(終値):-
日付:12月20日
売買代金(千円):-

*ランキングは売買代金の
総額に基づく順位を示したものです。

*この銘柄一覧は、
特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。

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