一夜で2000万円の収益
「投資の学校」浅野 敏郎
From 途中下車した武蔵小杉のダイニングより
損小利大
相場取引ではキーワードになるこの言葉。
意味はご存知の通り、
損失は小さい内に留め、
収益はなるべく大きく狙う。
相場で収益を上げるための鉄則
ともいうべき教えではありますが、
実行するとなると、
なかなか判断は難しいという話を
しばしば耳にします。
社会人としての私の歴史は、
外為取引の仲介業務から始まっていますが、
日常の業務として行っていた
ポジションの対処方法に、
実は損小利大への大きなヒントが隠れている
ような気がします。
考え方としてはきっと、
皆さんのお役に立てるかと思いましたので、
今日は、私の実務経験から得た
損小利大
の典型的なケースをお話ししましょう。
おはようございます。
今週も、はや金曜日がやって参りました。
各地から初雪の知らせが届くようになり、
季節らしくなってきましたね。
空気も乾燥してきていますので、
風邪など引かないようご留意ください。
外国為替の仲介業務という仕事
業務の内容は、
外国為替市場の参加者だった金融機関に対し、
主に電話で売買取引レートを伝えることで、
金融機関の外国為替業務をサポートしつつ、
取引が発生した際には、
この取引レートに対して直接注文を出してもらい、
取引を成立させていく、といった業務です。
業界ではこの業務の従事者を
外為ブローカーといいますが、
バブルが崩壊するまでは、
金融ブローカー
不動産ブローカー
といえば、悪徳業者の代名詞的な側面があり、
当時の私としては
「外為ブローカー」という職業を
あまり胸を張って名乗れない、
後ろめたさがあったことを覚えています。
ところが!!!
「投資の学校」メイン講師の御一人である
矢口先生のセミナーに参加された方なら、
ご存知の方も多いと思いますが、
先生にとっての相場の入り口も、
実は同じ外国為替の仲介業務だった
ということを知り、
今更ながら、かつての自分の職業を、
少し誇らしく思えています。
損失ポジションは即切り
実際に取引できる売買レートを肉声で伝える仕事を
現代の取引システムに置き換えて言うなら、
ティックの表示を
人間が読み上げていたようなものです。
(ティック…刻々と変わる最新の売買レート)
売買レートといっても、
各レートにひもづく取引額は千差万別で、
荒れた相場では、
僅か300万ドルの指値に対して、
2000万ドルの成り行きが殺到する…
といった事態はよくあることでした。
ましてや、一社で20人近いブローカーが、
一つのレートに対して、
一斉に取引を持ち込む状態が、
長時間に渡って続くわけですから、
誰が幾らで、どれだけ取引を成立させ、
誰のどんな取引が不成立に終わったかを、
完璧に把握するには限界があります。
こうして発生する誤差は、
ブローカーのポジションになりました。
ではそんな時、
ブローカーはどんな対処をするか…。
損失額に関わらず、
ネクストベスト・カット
つまり、
次の指値注文で必ず損切を実行します。
それが例え、
5万円の損失
30万円の損失
200万円の損失
につながることになっても、です。
今考えるとこのルールは
取引の損失を最小に留める唯一の対処法です。
なぜなら、
例えば急落相場で、
ブローカーがロング※でシコっている…
ということは同時に、
(※ロング…売り決済が残っているポジション)
市場全体には
その数十倍のロングが溜まっている可能性があります。
つまり、相場はさらに下落しやすい状態にあるため、
待てば待つほど損失が広がる可能性も高く、
いち早くその状態から脱出することが
損失を最小にすることになるからです。
もちろん、いち早く損切りすれば、
今後の取引にすぐ集中できるため、
メンタル的な対処
という意味合いも強かったのだと思います。
ヒョウタンからコマは大切に
一方で、
非常に稀なケースではありましたが、
発覚した時点で既に幸運なポジションになっている
という場合もありました。
そんな時はどうするか…。
場合によっては相場が反転するまで、
相場の動きに合わせて決済レートを動かし、
ポジションを持ち続けることもありました。
今思えば、
この対処法はまさにトレーリングであり、
有利なポジションを安全に利大へ導く、
現実的な方法だったわけですね。
この方法で私が経験した、最も効率の高かった収益は、
あるドル円の取引が、
僅か一夜にして2000万円の収益になったことです。
1000万ドルのポジションが、
一夜で2円動いたことによる結果であり、
一般投資家が
簡単に取り扱えるポジション額ではありません。
しかし、やったことといえば、
不眠不休でトレーリングし続けたわけでもなく、
最初に決めた水準に決済用の逆指値注文を入れ、
50銭の変動ごとに注文の水準を動かすよう
グループ会社へ依頼しただけで、
後は相場に任せただけに過ぎません。
本日ご紹介した
2つの典型的なケースはともに、
何の分析もせず、
何の苦悩もせず、
単純に
ポジションが発覚した時点で、
損失なら損切り、
収益なら可能性を伸ばそうとした
だけです。
もちろん、
収益側のストーリーには、
調整相場が無く途中で決済にならなかった
というラッキーがあり、
損切側のストーリーには、
底値で損切るというアンラッキーも
多々ありました。
しかし、
将来の値動きは誰にも分らないとすれば、
ラッキーもアンラッキーも相場のうち
ということになります。
もし皆さんが取引をする場合は、
自分から取引を開始するわけですから、
損切りの値幅も自分で決められます。
ですから、ブローカーのように
発覚するまでは
損失額を予定できない取引を損切るより、
確実に損小が可能で、
間違った取引は直ぐに手仕舞うことができます。
そして、
相場を分析する力が身に付けば、
方向が一致した時だけチャレンジするなど、
ラッキーだけに頼らない利大の可能性も
拡げることができるはずだと思うのです。
浅野敏郎
P.S.
外為ブローカーとしても、
私の大先輩である矢口新先生ですが、
先生直筆の著書「相場の21の心得集」は、
もうお読みになりましたか?
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今日のブログでも取り上げた損切については、
この心得集第8話「損切りの徹底」にも、
また違う切り口で掲載されています。
第8話に限らずこの心得集は、
ある程度相場経験をお持ちの
特に中級者の方々が壁にぶつかった際に、
きっと心強い味方になってくれると思います。
投資の学校でしか手に入らない
矢口新 著「相場の21の心得集」を、
是非お手元に置かれてみてはいかがでしょうか。
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(↑本当のタイトルは「ローラの休日~キレイになれる健康ごはん~」らしいのですが、長すぎる…)
も毎週金曜日登場です。今日はアボガドの料理でした。
プロの初心者として最近YJFXでバーチャル取引をしてみたのですが、ジェットコースターみたいでこわいです。100%あてずっぽうでやってるのでくじ引いてるみたいなもの、こんなのとても実弾は打てません。
ちゃんと勉強して道具を揃えてからやろうっと。
お仕事としてではなく、個人としては状況の悪い時は傍観できるというのは心休まるものです。
ローラのめざましクッキング様、
コメントありがとうございます。
はい、正しい選択だと思います。
まあ、良く動く最近の相場ですので、
準備は怠らない方がよろしいかと思います。
個人は相場を休めるという点は、実は最高の武器なのですね。
ただ、
初心者は動くときに休み、小動きになると取引し始める傾向があるのに対し、
経験を積んだ投資家は、小動きになると休み、動きだすと参加し始める、
という違いがあるようです。
これも、一つは恐怖心の捉え方の違いだと思いますね。
また、コメントをお待ちしています。
浅野