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チャートは、オールマイティーではない

こんばんは、
水上紀行です。

私は、チャートなしでは、
相場をイメージすることはできません。

しかし、チャートが、
オールマイティーでないことも事実です。

つまり、チャートは便利なツールではありますが、
信じ込みすぎないで見ることも大事だと思っています。

なぜなら、マーケット参加者の多くが、
同じようなチャートを見ていても何らおかしくなく、
さらにそのチャートから同じような相場観を持つことも、
それも当然ありえることだと思います。

問題は、チャートから同じような相場観を持ち、
同方向のポジションが短期間に膨らんでしまうことで、
相場反発の原因となりがちだからです。

例として面白いチャートがあります。

EUR/USDの月足で、2003年12月から2006年4月に掛けて、
きれいなヘッドアンドショルダー(三尊)ができました。

細かく見ますと、2003年12月から2004年8月に左のショルダー、
2004年9月から2005年7月までヘッド、
2005年8月から2006年3月まで右のショルダーの各部分になっています。

これだけきれいにヘッドアンドショールダーができたことは、
誰の目にも明らかで、下げを狙って盛んにショートメイク(ショートポジションを作る)がなされた結果、
マーケットのポジションは、完全にオーバーソールド(over-sold、売り過ぎ)となってしまいました。

この、売り仕掛けが実際に行われたことは、
2005年9月から12月に掛けて値を下げていることでもわかります。

しかし、結局下げきれず、ショートカバーを中心とする上昇となり、
2007年9月にヘッドの頂上をしっかり上抜いたところから上げは加速し、
2008年4月まで上昇し続けました。

一般にヘッドアンドショルダー崩れとなった場合、
ヘッドとネックラインの高さ分(この場合(約1750ポイント)だけ、
ヘッドの頂上から上がるとされますが、この場合はさらに450ポイント追加して
約2200ポイントも上昇しており、いかにマーケットで、
ショートポジションが膨らんでいたかがわかります。

このように、誰の目にも明らかなチャート・パターンは、
急速にポジションが偏ることを意味していますので、
酒田五法でも「ケイ線(チャート)かぶれにならない」ことと指摘しており、

チャートだけではなく、
マーケットポジションやマーケットセンチメント(心理)を読むことも
平行して行うことが大切だと思います。

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