円高は続くのか?

浅野敏郎

「投資の学校」浅野敏郎
From 自宅のトレーディングデスクより

 
このところの各市場コメントに、
再び「リスク・オフ」という言葉が目立ち始めました。

リスクの意味を「危険性」と把握してしまうと、
リスク・オフとは危険が少なくなること
のように聞こえてしまいますが、実は真逆のことを指します。

 
リスク・オフの地合では、円高株安というのが、
これまでの一般的なシナリオでしたが、
今回はこれだけを鵜呑みにすると、
相場を見失ってしまう可能性もありそうです。

 
 
おはようございます。
今週も金曜日がやって参りました。

先週は天候不順でお花見日和とはなりませんでしたね。
今年はダメか…??とも思いましたが、そのあと若干の寒の戻りもあり
今週末はまだいけそうな感じです。

 
ところで、この春の時期を同じくして、本日から月曜日までは
欧州を中心に「イースターウィーク」になり、
市場はクリスマスシーズン並みに閑散とします。

通常ならば概ね動かないと考えて良いとは思いますが、
市場参加者は世界的に激減して流動性も低下するため、
万が一の急変動に備えて、ポジションの管理には注意しましょう。

 
 

リスク・オフで意味する「リスク」

一般的なリスクの解釈は確かに「危険性」を指しますが、
金融的には「リスクをとる価値」という意味も含みます。
従ってこの場合のリスクとは「投資しても収益が狙える状態」を指し、

 
リスク・オンは投資に積極的な状態(リスクをとって乗っていこう)
リスク・オフは投資に消極的な状態(とったリスクから降りよう)

 
という意味合いになります。

今、再びリスク・オフという言葉が聞こえ始めた背景として

①アメリカがシリア政府軍を空爆したこと
②アメリカが北朝鮮への軍事制裁に踏み切るのではないか

の2点が一般的なようです。

 
つまり、これらが引き金となって世界情勢が混乱し、
長引いた場合は経済活動が低迷して世界景気は落ち込むため、
投資は一旦引き上げようとする動きを指していると思われます。

 
近いところでは、
イギリスのEU離脱を問う国民投票が決まる過程や、
ひと昔前ではギリシャ問題やシリア問題が表面化するたびに、
リスク・オフという言葉が良く見聞きされ、

実際の相場も円高(特にクロス円)に振れたという記憶があります。

 
しかし、今回の北朝鮮懸念は日本が関係当事国になる可能性が高く、
最大の懸念は、万が一でもアメリカが軍事制裁に踏み切った場合、

北朝鮮の報復として、
日本の米軍基地が攻撃される危険性が高まることです。
ましてそれが核ミサイルで、となると事態はさらに深刻です。

 

一般的な円高シナリオは通じるか

もし、最悪のシナリオが現実味を帯びる事態を想定すると、
当然ながら日本経済そのものに対して懸念が広がるわけで、

株価はこれまでのシナリオ通り下落するとしても、
通貨に関しては、円が買われて円高になるよりは、
逆に円が売られて円安になる方が現実的ではないですか?

 
 
実は、2000年から2001年にかけて、
富士山の噴火が現実味を増したことがあり、
この時の市場の動きは

円を売る動きが活発となって、ドル円相場は円安だったにも関わらず

日経平均株価も売り込まれて下落するという、
明らかに日本を投げ売っている状態となりました。

 
特に当時の在日外銀などの反応はリアルで、

「それなりの対日投資が海外へ逃避しているばかりか、
真剣に支店の一時閉鎖が考慮されている…」
といった状況を某外銀支店長から直接聞いていた記憶が、
今でも鮮明に残っています。

 
もちろん、日本が当事国ではない場合、
例えば、ヨーロッパで不安定な出来事が発生した時などは、
地理的にも一番遠く、しかも先進国である日本が
資産の逃避先に選ばれるのはとても自然です。

 
しかし、北朝鮮の報復を想定した場合は、
富士山噴火が懸念された時と同様に、日本が被災地になるのですから、

今までのリスク・オフとして代表的な資金の流れだった、
円買いを今回も連想するのは極めて危険だと思います。

 
 

では今なぜ円高基調か

これにはいくつか別の要因が考えられます。
詳細は各方面の権威の方々にお任せしたいところですが、

一つには、トランプ氏のなかば公約だった経済対策に対して、

実行が疑問視される状況が現れてきた…
という点が指摘できそうです。

 
例えば昨日の4月13日、
あそこまで中国が為替操作国であると主張していた米国政権が、
具体的な指摘を止め、トランプ大統領自らが操作国を否定した、
というニュースがありましたね。

つまり、こうした極端な姿勢転換を見てしまうと、
今後もし「大どんでん返し」があるとすれば、
かの経済対策が該当する可能性を疑うのは当然です。

 
最近の世界的なドル高株高は、この公約を頼りに進んできた
とも言えるわけですから、
それが覆されれば当然、ドル安株安のシナリオが見えてくるわけですね。

 
一方シリア問題に関しては、
これまで通りのリスク・オフが順当な動きであり、
実際に欧州通貨とのクロス円も円高に推移しています。

このように、現在の円高株安は、
この2点が主な要因だと見ておいた方が無難でしょう。

今回のリスク・オフも含めて、
共通する資金の流れは株安ということになりますが、

こと円に関しては、
「北朝鮮への軍事制裁が色濃くなれば売られる可能性」を意識して、
今の円高相場を見ていく必要がありそうです。

もうお分かりだとは思いますが、
リスク・オフ=円高
という、いつまでも画一的な捉え方だけではなく、

本質を理解すれば少なくとも、
円高要因に北を上げているコメントに対して、
振り回されるリスクは回避できると思います。

 
 
最後になりますが現在の円高は、
・欧州で群発するテロ
・日本の貿易黒字
・欧州崩壊の危機をはらむ各国選挙
・FRBやECBのバランスシート縮小懸念

など、円が買われやすい要因が重なっているわけですが、

本日のテーマから、
今の円高は買い下がるべきと言っているのではない点は、
ご理解いただきたいと思います。

ただし、特にここ数日で円が一段高になった理由は、
基本的にイースター入りとなる欧州勢が、
幾つかのリスク要因を背景に、
休暇前にポジションの一部を整理しているだけ、
というのが個人的な見解です。

とにかく今は、イースター明けを待ちましょう。

 
 
浅野敏郎

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2 thoughts on “円高は続くのか?

  1. 万尾獅子

    「来日公演を本日に控えた英ミュージシャンが「米国と北朝鮮の間の武力衝突」を理由に無許可で帰国」
    という記事をみてざわざわしている万尾獅子です。
    イアン・マッカロク…知らんわ。。。パンクがチキンでいいのかw

    先週はご回答ありがとうございました(^o^)
    きっと、同じのめりこみ方でも趣味は思考回路を働かせて、依存症は無自覚に繰り返してしまうってことなのでしょうね。。。
    今日から月曜日までがイースターウィークなのですかw
    「イースターのうさぎ」や「イースターエッグ」などは昔からよく聞くのですが、
    確か、キリストが復活した時でしたっけ?「復活祭」?
    ハロウィンなど印象がはっきりしたものと違っていまいち日本には定着しないみたいですね。
    外人シスターが「イースター\(^o^)/」と興奮している感覚を共有できずにさみしい思いをした記憶があります。
    しかし、こんだけ北半球がアレてるのであれば、キウイあたりがいいんではないの?と思うのは素人考えなのでしょうか?

    返信
    1. 浅野敏郎浅野敏郎 投稿作成者

      万尾獅子 様、

      いつも楽しいコメント、ありがとうございます。
      ミュージシャンのお話し、知りませんでしたが受けました!

      趣味と依存症の違い、上手くまとめていただきました、
      まさにこれが言いたかった感じです。

      相場も仕事になると、
      頻繁に「やりたくない病」に見舞われますから、
      そこで好きかどうかで、どうにか戻れている感じです。

      イースターは確かに日本での馴染みは浅いですね。
      でも欧州ではイースターが終わると、
      いよいよ春本番的な、開放的なムードになるようですよ。

      逃避先通貨として、確かに豪ドルが選択される場合も
      あった気がします。

      ただ流動性は相当低く、円の三分の一程度しかないので、

      出処:BISレポートより抜粋

      逃避先通貨の値動きが荒くなってしまっては本末転倒ですし、
      言っても資源国通貨の括りなので、
      安定性には欠ける側面がありますね。

      でも、着眼点は間違っていないと思います。

      ではでは、
      良い週末をお過ごしください。

      浅野敏郎

      返信

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