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貿易戦争の次は、通貨戦争?

From 矢口新

自宅のトレーディングルームより……

こんにちは。
矢口新です。

埼玉県熊谷市で最高気温41.1度、
東京都内も40度に達するなど、
信じられないほどの猛暑が続いています。

ここまでくると、
少し出歩くのにも注意が必要なので、
くれぐれもお気を付けください。

トランプ大統領は自国の通貨政策をも責める

さて、世界の動きに注目していると、
やはり驚くようなことが起きていました。

アメリカのトランプ大統領が、
経済ニュース専門チャンネルのCNBCとのインタビューで、

● 中国とEU:為替操作を行い、自国や自分の経済圏を有利な立場に置いている
● 米連邦銀」利上げを続けて自国を不利な状況に置いている

と語っていました。

また、
このインタビューでは話していないのですが、
4月に公表された米財務省の半期為替報告書でも、
日本を監視国に指定し、円安への警戒を強めています。

実際、
長期にわたってドル高が進みやすい状況は続いています。

ECBはマイナス金利政策を続けているし、
日銀だって、異例の大規模緩和を続けているのです。

これが、
ドルとユーロ・円の金利差を
拡大する原因になっています。

アメリカも、
この状況を黙ってみているわけではありません。

7月21日と22日の両日に
ブエノスアイレスで開催された
G20財務省・中央銀行総裁会議に先立ち、

アメリカのムニューシン財務長官は、
一部記者団に対し、
「強いドルは米国の国益にかなう」
と主張しました。

もちろん、
トランプ大統領の発言について、
市場介入の意図はないと指摘したものの、
大統領が金融政策に口を挟む事態は極めて異例です。

ですが、
他国の通貨政策を叩くより、
自国の通貨政策を見直した方が、
まだフェアかもしれないし、
他国にもプレッシャーを与えられるでしょう。

これまでの各国のの通貨政策

ここで、
アメリカをはじめとした各国の
通貨政策を振り返ってみましょう。

サブプライム問題が起こってからは、
米連邦銀行はいちやはく利下げを始めました。

2008年12月から2011年11月までは世界中で唯一、
アメリカだけがほぼゼロ金利ったのです。

しかし、
2011年12月からスイス中銀が、
2014年6月からはECBが、
ゼロ金利を通り越してマイナス金利にまで突入し、
アメリカの金利が欧州の金利を上回るようになりました。

この流れを受けて、
米連邦銀行は2015年12月から利上げを開始したのですが、
直後の2016年1月には日限がマイナス金利を導入しました。

大まかな流れだけを説明してきましたが、
この間にもいろいろなことが起きました。

2010年には欧州金融危機が、
2011年には東日本大震災が起きています。

その間も、
アメリカの金利は日本やヨーロッパの
金利よりも低かったのです。

このような事情もあったので、
多くの国がアメリカより低いマイナス金利の導入を
余儀なくされたともいえるでしょう。

一つ、これらの政策に評価すべき点があるとしたら、
メリハリがあったことです。

米連邦銀行の利下げは、
スピード・規模ともにメリハリがありました。

結果として、インフレを伴わない経済成長を続けてきたのだから、
やり方は適していたのでしょう。

一方、
日本は20年近くも超低金利政策を続けていますが、
本当に効果があるのかすらわかりません。

メリハリもないし、
一体何がしたいのかわからないくらいです。

通貨戦争はこの後どうなる?

欧米のメディアでは、
「貿易戦争に加えて、通貨戦争が起こるのか」
というコメントが相次いでいます。

通貨戦争とは、通貨安誘導合戦のことです。
つまり、どこまで利下げ合戦になるのか、
と言い換えてもいいでしょう。

今の日本・ヨーロッパに、
アメリカに対抗して利下げを続ける力もありません。

しかし、
アメリカと利下げ合戦を続けられそうな国があります。

中国です。

今の中国には通貨安誘導合戦で金利を下げることは十分にできます。
国内の経済状況から見ても、不可能ではありません。

ただ、実際にそうなった場合、
通貨安により輸出が増え、
関税がかかったとしても、
対米黒字がさらに大きくなる可能性が高いです。

ここまでくると、
中国は通貨戦争どころか、
貿易戦争も制するのでしょう。

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  • コメント ( 2 )

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  1. Andy

    いつもわかりやすい解説をありがとうございます。
    文章にもスピード感があって読んていて疲れないです。

    • 矢口新

      コメント、ありがとうございます。
      わかりやすいというお言葉をいただけて光栄です。
      引き続きよろしくお願いいたします。

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