今、しなくてはならないこと
From 矢口新
自宅のトレーディングルームより……
おはようございます。
矢口新です。
アメリカで中間選挙が行われましたが、
上院下院で多数派の党が分かれるという、
「ねじれ議会」が出来上がってしまいました。
このことが、
今後の相場にどう影響するかは、
まったく未知数ですが、
注意深く動向を見守っていく必要はありそうです。
ところで、
このブログはいろいろな方がお読みのはずですが、
1つ、私から皆様に質問したいことがあります。
あなたは楽観主義者ですか?
それとも、悲観主義者ですか?
それぞれにお答えはあると思いますが、
頭に入れていただきながら、
これからの文章をお読みください。
私の場合はどうなのか
私自身は、自分のことを楽観主義者だと思っています。
そもそもディーラーは、
自分の相場観や手法が世間で通用し、
多少の失敗があっても利益が上げられると思っているものです。
その一方で、世界中から情報を集め、
今後の環境に最も適した資金運用は常に考えています。
そのため、
事実は事実として冷徹にみる習慣ができているのです。
こういう視点で見ると、
現時点ではイエメン・リビア・エルサルバドルなどで起きていることは、
非常に不気味に思えます。
これらの国は基本的に無政府状態なのです。
もちろん、世界中には治安の悪い国や、
一般人の生活レベルが低下した国は、
たくさんあります。
しかし、本当に申し上げたいのは、
日本の成長率はそれらの国々の多くよりも悪く、
その事実が日本人を確実にむしばんでいることです。
最近、日経ビジネスオンラインで、
「増える月曜朝の中高年の縊死と就職氷河期の果て」
という記事を読みました。
これは、「月曜日の朝、中高年の自殺が増える」という
研究結果について書いた文章です。
非常に素晴らしい文章だったので、
ぜひ皆様にも読んでいただきたいのですが、
私からさらに伝えたいことがあります。
リバウンドの見込みがない今、やるべきことは?
日本は確かに先進国です。
しかし、経済成長は1997年で止まっているため、
今はそれ以前のたくわえだけでやり過ごしています。
そのため、徐々に成長率が、
「経済状態の悪い途上国」並みになっているのです。
一見、中高年の自殺と何の関係もないように思えますが、
実は注目してほしいことがあります。
日本で月曜の朝に自殺する人が増えたのは、
1990年代後半以降のことでした。
つまり、1974年の高度経済成長期から、
バブル崩壊までは、このような現象は認められていません。
経済成長率の悪化と、
月曜の朝の自殺率の増加は、
やはりリンクしていたのです。
今の日本は、貧富格差が拡大しています。
そして、それは日本の「1989年の税制改革」に見られるように、
人為的なものなのです。
裏を返すと、税制さえ反転させれば、
貧富格差の拡大は止まるでしょう。
そして、自殺を考えるほどの憂鬱な朝ー
「ブルーマンデー」もなくなるはずです。
今、しなくてはならないこと
話を戻します。
先ほどご紹介した記事の中に、
こんな一節がありました。
「もし、もしこれを読んでいる方の中で一人きりで悩んでいる方がいらっしゃったら、
どうかすがってほしい。弱い自分をさらけ出してほしい。
それが同じように苦悩する『中高年の勇気』にもつながると思います」
この一節こそが、自殺を考えている方にとっては、
「今、しなくてはならないこと」であるはずです。
実は私は今、先ほどの記事を書かれた社会学者の河合薫さんが
感銘したという「大西洋漂流76日間」という本を読んでいます。
本の内容についてはここでは割愛しますが、
生き延びることそのものに価値があると感じる本でした。
難しいことではありません。
「今、しなくてはならないこと」をどんなに困難でも、続けるだけです。
<編集部からのおすすめ>
「継続は力なり」という言葉があります。
矢口先生も文章で触れている通り、
「今、しなくてはならないこと」を続けるのは、
それだけで大きな力になるのです。
でも、投資で成果を上げるために、
何をしなくてはいけないのでしょうか?
矢口先生からの答えは、ここからご覧になれます。
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