なぜ損切り注文だと断定できるの?
「投資の学校」浅野敏郎
From
新宿オフィスのスタジオより
以前にも、
指値注文や逆指値注文のお話をして
実は指値注文は逆張りであるため、
初心者が先ず覚える注文方法の割りに、
非常に難易度が高い方法であることを
述べました。
大雑把な利益確定の指値ならともかく、
指値を頻繁に使って結果が伴わない方は、
一度、使うのを止めてみると良い?
かも知れません。
ところで、英語で言うところの
指値注文はリミットオーダー
逆指値注文がストップオーダーとなりますが、
最近のマーケットニュースで、
ある水準には指値注文が大きめにあり、
ある水準を越えるとストップロス注文が断続的に
などといった、
もはや絶望的なヘッドラインが
飛び込んでくるようになりました。
確かにFXには公式な板情報がなく、
何かの足しになれば・・・
ということなのかも知れませんが、
そもそも現状から遠い水準にあるオーダーなど
近づくとキャンセルされないとも限らず、
板情報もどきをニュースとして流すのなら、
実際にそれらが約定したのかどうかくらいは、
伝える責任を伴う気もします。
特に、ストップロスについては、
なぜそれが損切りであると断定できるのか?
機会があれば是非、
その根拠を配信元に聞いてみたいと思いますが、
今日は数ある注文方法の基礎となる
2つの注文について明確にしておきたい点を
ご説明いたします。
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おはようございます。
今週も早や金曜日がやって参りました。
そろそろ関東地方も入梅が近いと言われていますが、
昨日は真夏を連想するほど、
強い日差しと高い湿度でしたね。
若い頃は好き好んで太陽に肌をさらし、
日焼けを楽しんだものですが、
最近は直射日光を受けると、
息苦しささえ覚えます。
加えて、このところ軽いめまいも感じるようになり、
気をつけねば・・・と思います。
歳はとりたくないですが、仕方ないですね。
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特に初心者の方々にとって、
いくら便利な注文方法がたくさんあったとしても、
その使い方が良くわからず、
「結局は成行しか使ってない・・・」
という方が多いと聞きました。
しかし、成行でしか取引したことがない方へは、
その方法はプロが行なう注文方法ですから、
是非、自信をもってください。
ただ成行注文は、その場で相場に対峙していないと
なかなか難しく、
結局待っている時間が無くなり、
泣く泣く成行決済・・・とか、
初心者であれば余計に目先の動きに惑わされがち、
などと言うデメリットがあるのも確かですね。
実はこのように、取引注文には大きく分けて
市場の売買価格をヒットして取引する成行注文と、
取引システムに予め入力しておく予約注文とに
2分されます。
成行注文のことを英語ではマーケットオーダー
予約注文の事をリーブオーダーといい、
リーブオーダーの中に様々な方法が存在する・・・
という格好です。
では問題のリーブオーダーですが、
先にも述べた指値注文や逆指値注文は、
このリーブオーダーの一部です。
つまり、リミットオーダー(指値)や
ストップオーダー(逆指値)は
予めシステムに設置しておくわけですが、
果たして、
リミットオーダーは必ず新規で、
ストップオーダーは必ず決済なのでしょうか??
例えば、
1ドル115円で買ってしまったドルがあるにも関わらず、
相場はなかなか戻らないため、
110円以下では決済したくないが、
112円だったら見切りをつけて売り決済したい・・・
と今あなたが考えた時、
112円に売りのリミットオーダーを入れるしかありません。
一方、105円を割り込んだら更に下落が加速する
と今あなたが考えた時、
104.88円に売りのストップオーダーを入れるしか
ないのですが、この場合は明らかに新規売りですね。
或いは、115円以上で売り持ちがあるので、
110円を越えるようなら利益を確定してしまおう・・・
などという時も、
110.15円に買いのストップオーダーを入れることに成り、
これこそ、
損切りを意味するストップ・ロスとは正反対の注文でも、
今後もし110円に近づくようなことがあれば、
「110円を越えるとストップロス買い」などと
表現されるのでしょうね。
結論としては、
ストップ注文は損切りの時にしか使わない
というのは大きな誤解です。
ですから、市場のポジションを連想する際、
ストップ売りをこなしたからロングが軽くなっただろう
とだけしか考えないと、
実はそのストップ売りは大きな売り仕掛けであって、
相場は更に下がるという場合も少なくないため、
ヘタにロングを取り直すなどすれば、
一気に下へ持っていかれることも有り得てきます。
いずれにしても、
ストップ(逆指値)注文は新規と決済の2種類があり、
決済の場合は更に、
ストップ・ロス(損切り)と
ストップ・プロフィット(利益確定)
の2種類に分かれるわけですから、
もしあれらのヘッドラインが、
逆指値の注文=「損切り注文」
と断定しているのなら、明らかなミスリードですし、
逆に、もし本当に損切り注文だったとするなら、
誰かが自社や自行の顧客情報をリークしている可能性もあり、
場合によっては法令違反にもなり、
それはそれでNGになってしまいます。
万が一にも、
データのヒモ付きなどで自動的に損切り注文だけを
抽出できる仕組みが既に存在しているとすれば、
業者にとって「ストップ狩り」など難しい話ではなく、
昔の悪徳事業者によくあったと言われる、
預入資金がなくなるまでシャブリ取られる運命しか
残っていないことになり、
それが現実ならあまりに虚しいです・・・。
いずれにしてもせめて、
市場ニュースのような顔をして入ってくる、
ポジショントークと紙一重なヘッドラインは
無視したほうが良いことだけは確かでしょう。
浅野敏郎
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