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実際のトレードでも本当にチェックしてますか?(G)

「「投資の学校」浅野敏郎
From 自宅のトレードデスクより

 
前回の記事Fまでは、
一般投資家が余り注目しない揉み合い相場は、
まさにトレンド相場の起点であることから、

揉み合いを少しでも明確に把握できれば
トレンド相場に対して有利な起点付近に立てる
という観点で、
揉み合いをできるだけシンプル化して
説明する試みを致しました。

まだまだ言い足りないポイントはあるのですが、
相場は結局、フラクタルなので、
方向性の説明になってもその機会はありますので
その都度、触れてみます。

ですから、ブログのA~Fはお時間がある限り
何度も読み返しておいていただければきっと、
話がスッとつながる場面が増えていくと思いますし、
日頃からお使いのテクニカル分析がより一層
鮮明に見えてくることもあると思います。

 
では今回のGから暫く、
揉み合いとトレンドとの違いを少しずつ
研究して参ります。

————————————

おはようございます。
今週も早や金曜日がやって参りました。

COVID19の感染が遂に
世界中へ広がってしまいました。
EUのイタリアやフランス、中東のイランでは
感染者数が急増するなど話題になっていますが、

さほど話題に上らないイギリスやアメリカでも
恐らく潜在感染者はそれなりにいるハズで、
思わぬ地域からの報告は、暫く続くかもしれません。

そして…
経済への影響などが指標でも目立つようになり、
何といっても中国の指標は震えがくるほど
悲惨な数値結果が連続しています。
もともとあまり信用できない側面はありますが、

日本も会計年度末となる3月を迎え、
予防線を張り始めたかのように各方面からは、
大幅な売上額の下方修正が報告され始めており、
投資家心理を冷やす要因にもなっています。

ピークはまだこれから…と覚悟した方が良い印象です。

———————————–

さて、ABCシリーズを開始する直前の記事でも、
トレンド相場の定義について確認しましたが、
いくら高値と安値を
切り上げていれば上昇相場
切り下げていれば下落相場
だとしても、どんな形でも良いわけではなく、
つまり、収益を出しにくい相場には
誰も、あまり関わりたくないですよね。

 
サルからヒトへの進化を表現する際に
こんな絵がしばしば使われますが、

:msnニュース記事のチャームから抜粋

波動を表現するのに最低でも必要な
2点の安値と2点の高値を使って同様に表してみます。

安値1をA、高値1をB、安値2をC、高値2をD

①の安値ACと高値BDは同じですから
これは揉み合いですね。

②から④は
いわゆる上昇の定義にはかなっていますが、
左から順番に段々と
2足歩行に成長しているようにも見えますね!?

皆さんならどの上昇相場に取り組みたいですか?

 
もちろん、この概念図だけでは、
A以前の値動きが判らないので何とも言えない…
というのも間違いではありませんが、

これらの例に限定して、かつ、
ブログA~Fで学んだ揉み合いの捉え方と
方向性の考え方とをそのまま当てはめれば…

一番取り組みたい上昇相場の答えは④ですね。

 
「知らなくても見ればわかりますよね。」
と思われたあなたへ…

もしかすると
A-Dの値幅を見てそう思った感じでしょうか?

もしA以前がそれなりの期間揉み合っていて、
Aが放れのポイントだったとするなら
Aでのエントリーは不可能ではありませんが、

Aが底値だった場合は
底値でエントリーするのは基本的に不可能ですから、
Aからの上昇を見て判断することに矛盾があります。

ならばA-Bのどこかでならエントリーできるはず…
と考えても突然来るかもしれない反転が怖く、
B-Cを見て「買わなくてよかった…」と思い、

Cもいわば2番底ですからここを捉えるのも不可能

だとすればAからの上昇幅を見て、
「見ただけで、④であることは当たり前」
と思うのには矛盾がありますね。

 
ブログA~Fをご理解いただければ、
実際のトレードでエントリーできるのは
Bの上抜け…

つまり④を答えとした正しい根拠は
B以降の値幅が一番大きかったから
というのが正解なのでしょう。

少し細かかったかもしれませんが、
この範囲を見る限り実際にエントリーできるのは
A以降ではこのポイントしかない訳です。

 
ではもう一度、②~④のエントリーポイントとなる
高値越えをよく見てみましょう。

Bの上抜けだけがエントリーの根拠だとすると
実際にトレードする際には、
②から④はみな同じで、④が一番上昇したのは結果論…
と思う方も恐らくおいででしょう。

確かに一般的なブレークアウトとは、
この上げ相場の場合、
直近高値Bの上抜きのことを指すので、
その点では②から④はどれも同じです。

実は①から④のC-Dは
時間と値幅を同一に作っているのですが
唯一の違いは「B-Cの押しの深さ」で、

C-Dは同じでも④の押しが一番浅かったから
④が最も上値を伸ばすことが出来たに他ならず、

一番深い場合は①の「揉み合い」までをも
表現できてしまうのは言い得て妙です。

 
言ってしまえば、これも当たり前なのですが、
ブレークアウトとばかりに
Bの高値ばかりに注意が行ってしまうと、
②や③のケースのように、
いわゆる「ダマシ」に遭いやすくなるのも
うなずけますね。

ですから、
「ブレークアウトは騙されるから嫌い」
と決めつける前に、

その前の押し目の深さをチェックし、
想定だけでも予めしておけば
ダマシに遭う可能性は随分減らせるはずです。

もし深さの目安が判らない場合は、
A-Cの差で判断するのも一手です。

つまり、
②は①の揉み合いと余り大差はなく、
定義上は上昇相場でも、
Bを抜けたところでさほど上値は伸びない
「不味い上げ相場」が想定でき、

④の場合はA-B分とまでとは言わないまでも
それに近い値幅が期待できる
「美味しい上げ相場」が想定できる

という訳です。

 
今回は時間がなく実際のチャートを使って
例を挙げられませんでしたが、
皆さんご自身で一度、
チャートで確かめてみてください。

もちろん100%はあり得ませんが、
原則として記憶するには十分な理論ですし、
今後もこの考え方は基本になって参ります。

次回もこのN波動についてもう少し
掘り下げてみようと思います。

 
 
浅野敏郎

P.S.
先週はコメントを催促してしまいましたが、
わざわざお応えをいただいた方々には御礼を申し上げます。
今後とも宜しくお願い致します。

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  • コメント ( 2 )

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  1. 田中 忠夫

    実際のトレードで本当にチェックしていますか? ドキッ。
    長い長い下降トレンドを見ていたとします。そこで②のわずかな2番底Cが出ても見逃していました。③の2番底では売りポジションを閉じてDを見て、そこから上昇して(E)をつけ、反転下げてBの支持線にタッチして(F)からリターンムーブで上げ始(G)めてやっと仕掛けます。④のエントリーは気づくのが遅れて高値Dをみて諦めるのが実際です。情けなく思っています。
    他の先生のことを申して失礼と存じますが、矢口先生の谷越え論も、④のB線越と同義と思ってよろしいでしょうか。

    • 浅野敏郎

      田中 忠夫様、

      コメント、ありがとうございます。
      返信が遅くなり、大変失礼いたしました。

      田中様ご自身、
      ③のパターンで仕掛けるのが多い…とありますが、
      Aを捉えるのは、なかなか難しいですから、3波動形成後、
      その押しが決まったところで入る…
      一目均衡表でいうところのS点を狙う
      というのは、私は一番確実だと思います。

      指値で予め決めておくのは、やや危険ですが、
      S点で下げ止まりが決まって(E)を再び上抜くような動きは
      強い基調の証明にもなります。

      ただ、この場合でも(E)-(F)が深すぎる、
      言い方を変えるとC-Dの値幅が大きいかったのに
      高値Bに面合わせするのは既に揉み合いに入っている可能性があり、

      逆にBを割れると目先の高値がDで決まってしまう可能性が高まりそうです。

      矢口先生の山越え谷越えは、いろいろなケースがありますが、
      私のアプローチも似た部分があり、いつも共感させていただいてます。

      あくまで私見ですが、
      もちろん矢口先生ご自身、④のケースを使うときもあり、
      高値越えというパターンがそれにあたります。
      ただ、谷越えという場合、
      私の印象では、Aの前が下げ相場だった場合のAを狙っている、或いは、
      ①や②のCを狙っている印象があります。

      ④のケースだと第二波動の下げが浅く、時間的にも短いので
      谷越えの定義ともいえる、
      「それまである程度、長い間下げてきたものが、反転した場合が谷超え」
      という考え方とは若干、ニュアンスが違う気がします。

      さて、
      ここ2週間ばかり、どの相場も波乱となっていますね。
      くれぐれもお気をつけください。

      では、またコメントをお待ちしております。

      浅野敏郎

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