欧米で感染ブレーク、米株指数は2月最終週超える下げ率

From:戸松信博
自宅デスクより、、、

おはようございます。
戸松信博です。

 

欧米で感染ブレーク、米株指数は2月最終週超える下げ率、政策で動揺収まらず
日経平均は週間878円安もTOPIX+1.71%の反発、リート28%の大暴落

 

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<目次>
(1)グローバル相場見通し:
欧米で感染ブレーク、米株指数は2月最終週超える下げ率、政策で動揺収まらず
(2)今週以降に出はじめる経済指標にはショックが予想され、要注意
(3)日経平均は週間878円安もTOPIX+1.71%の反発、リート28%の大暴落
(4)今週の戦略
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(1)グローバル相場見通し:
欧米で感染ブレーク、米株指数は2月最終週超える下げ率、政策で動揺収まらず

 

【週間騰落率】
ドル(対主要通貨加重平均) + 4.12% (102.82)
株 (S&P500指数)     -14.98% (2,304.92)
商品 (CRB総合指数)    -12.04% (123.88)
金(ニューヨーク先物)   - 2.12% ($1,484.60)
原油(WTI)         -28.68% ($22.63)
債券(米10年債利回り)   -10bpts (0.89%)

 

□ニューヨークダウ・ナスダック推移
http://mailsrc.gladv.co.jp/ggr/2020-0320-7.png

先週もボラティリティーの高い相場が続き、連日、記録的な値動きの連続となっています。単に株価指数の下落率だけでなく(ナスダックは16日にブラックマンデー超えとなる12.3%安を記録)、S&P500指数が一日あたりプラス・マイナス4%超動く日が8日連続を数え、1929年の世界大恐慌時まで遡らなければならない記録(6日連続)を更新しました。ダウの下落率も第一次世界大戦時や大恐慌時など、100年前後遡る記録と匹敵する状況です。

 

他にも原油は2週間で45%超暴落、日本の東証リート指数も金融危機時や大震災時の記録を劇的に上回る下げ率となるなど、いつもなら詳細をお伝えすべき事象も、書ききれないので割愛しなければならない状況です。実際、週の初めに何か劇的なことがあっても、毎日新たな事が起きるため、数日前のことのインパクトがすぐに色あせてしまうような状況です。

 

週間の下落率は、ダウが17.3%安で高値から1万ドル以上下げて1万9173ドルに、トランプ就任式前の価格に戻りました。S&P500は14.98%安、ナスダック12.64%安で、いずれも2月最終の10%強の下げ率を上回りました。半導体株指数は15%超の大幅安で、個別の半導体株においては20~25%を超える下落率となっているのが多くあります。

 

ダウ構成銘柄ではボーイングが週間44.2%の暴落です。年初に急騰したテスラは2月4日の969ドルから半値以下となる427ドルまで、昨年末水準にまで下げています。

 

原油は週間28.68%安、商品先物総合も12.04%安、安全資産の金も前の週の9.3%安に続いて2.1%安と売られました。

 

唯一買いが集まっているのは、世界的なドル需給ひっ迫を受けてドルインデックスが+4.12%という大幅高で、2017年4月以来の100超えとなりました。2016年12月のFRB利上げ開始直後に付けた103台に迫ります。

 

米10年債利回りは10ベーシスポイント下げただけで0.885%で終えています。これもたまたま週末値がそうなっただけで、24時間前には久々に1.1%~1.2%という高水準で推移していました。そこから金曜日の株価急落を受けて一気に低下して終えたものです。

 

何事もこのような感じであり、夜の早い時間帯にダウが1000ドル近く上昇していたり、或いはそれくらい下げていたとしても、朝起きてみれば全値戻しでマイ転やプラ転していることもあります。一言で言えば「相場は壊れた」のであって、もはや適正な価格の値付けなど成されず、パニックが市場を支配していると言えます。

 

相場を壊したのは、少し前に思いもよらなかったことが起き、一変に戦時態勢のような封鎖状況になったことで、慌てふためく「心理」にあるのでしょう。トイレットペーパーが消えた時の心理と同じと思います。全員が合理的に考えて行動すれば、トイレットペーパーなど国産で十分な供給体制にあって無くなるはずがないのに、皆が慌てると実際に店頭から消えてしまうのと似ています。こうしてあらゆる資産価格がメルトダウンしています。

 

慌てる理由は、欧州で感染者数が指数関数的に垂直上げのごとく爆発増加中で、恐らくこれから暖かくなって封じ込め態勢も強化しているのでそうはならないと思いますが、ドイツが警告しているように人口の7割~8割、つまり億人単位で域内感染が拡がるとの恐れが現実味を帯びているのでしょう。これを防ぐには、著しく経済活動を縮小するしかなく、つまり失業に直面するほど経済を犠牲にし、じっと家にいることしかありません。この現実に直面し、大慌てで現金化を急いでいる様相です。

 

米国の調査会社も、当初は新型肺炎で上半期の経済成長率がゼロやごく緩いマイナスを予想していたものの、ここにきて10%や20%を超える激甚なマイナス成長を予測するものが出てきており、投資家を慌てさせています。

 

このため米国で約1兆ドル(110兆円)という、とてつもない経済対策パッケージが浮上しているにも関わらず、株価は反応せずに直ちに新安値を更新し、以降も下げ止まりません。ムニューシン財務長官が、1兆ドルの支えがなければ20%台の失業率となってしまうと警告したことで、1兆ドルよりも20%という空前の失業率(大不況)に直面していることの方が意識されたのです。

 

ただし、悲観強まる中でチャートは下げ渋っています。指数は金曜も木曜の上昇を打ち消して大幅安となったものの、水曜の安値は切り下げておらず、今週前半に上昇転換する可能性も残しています。それでも今のような暴落時の上昇転換は、その後の上昇継続に失敗することが多いものです。

(2)今週以降に出はじめる経済指標にはショックが予想され、要注意

□政策金利とS&P500

FRBは15日(日)に臨時の会合を招集し、今月二度目となる緊急利下げを決定しました。短期金利を誘導するFF(フェデラルファンド)金利を1.00%下げて0.00~0.25%とし、今後数カ月間に7,000億ドル以上の債券を購入する予定です。ゼロ金利と量的緩和(QE)の復活となります。

 

昨年夏に利下げを開始してから、残っていた全ての金利を使い果たし、利下げラウンドは終了しました。利下げ開始からここまでに株価は20%を超える下げとなり、過去の例に漏れず、利下げは株安、そしてリセッション入りの合図となりました。

 

この先、米国経済はリセッションに入ることが確実で、すでにニューヨーク及びフィラデルフィアの各連銀の発表した3月の景況感指数は大幅な悪化を示しましたが、この先一段と経済指標は見たこともない領域へと悪化していきます。

 

まず、最初の激甚な悪化となりそうなのが、今週木曜に発表される3月21日週の新規失業保険申請件数で、劇的な増加が予想されています。3月14日週分についても+7万人増の28.1万人と大きく増加しましたが、次回は150~200万人に達するのではないかとするエコノミストも複数居ます。

 

もしも200万人となれば過去最大だった1982年の記録の3倍増にもなる劇的なものです。集計に先立ち、一部の州でこの一週間だけで30倍以上もの申請件数増となっており、封鎖・自宅待機によって小売店、ホテル、レストラン、航空関係などで解雇が急増しています。

 

前週末の映画館のチケット販売も今世紀最低となり、大手自動車メーカーはすべて北米の工場を閉鎖しました。そのうちフォード(F)は早くも四半期ごとの配当を無配と発表し、キャッシュを温存する構えです。今週以降に出はじめる経済指標にはショックが予想され、要注意です。

 

(3)日経平均は週間878円安もTOPIX+1.71%の反発、リート28%の大暴落

日経平均 16,552.83円 週間-878円 *過去最高値まであと+135%要

□日経平均

相場判定(長期):上昇トレンド継続中(2019/11/02~)
相場判定(短期):下落トレンド継続中(2020/01/27~)

注目セクター : なし

 

週間の日経平均は878円安と続落したましたが、率にして5%の下落は欧米の15%前後の下げと比べ、軽傷といえます。それでも大幅安には違いないのですが、驚くのは東証一部全体を表すTOPIXが週間+1.71%と上昇したことです。一方で手堅い値動きであるはずの東証リート指数が28%安と、過去最大の暴落となりました。

 

個別銘柄をみても、NTTや中外製薬など、結構多くの銘柄が大幅高となっていたのと同時刻に、ソフトバンクグループやファストリテーリングなどの日経平均を動かす値嵩株が暴落していました。

 

このような光景はこれまで一度もみたことのないものですが、日銀のETF購入枠倍増の決定(16日)が影響しているものと思います。

 

日銀は従来の日経平均型ETF購入を改め、TOPIX型ETFの購入に軸足を移しました。そして買い入れ枠自体を倍増させたので、多額の資金が時価総額に比例して東証一部の全銘柄に注ぎ込まれます。

 

これによって例えば、そこそこ時価総額の大きな京都銀行にはある程度大きな資金が注がれます。しかし同社株は普段から売買が非常に薄いので、突如入ってきた大口の買い注文によって強烈に値が吊り上がってしまい、1週前に比べて+24%も上昇しました。

一方で三菱UFJや三井住友FGにはより多くの資金が注がれるものの、普段から売買代金上位に入る流動性豊富な銘柄であるため、それほど値を吊り上げるに至らず、1週前より株価はどちらも8%安となっています。同じ銀行なのに需給要因によって全く違う騰落となってしまうのです(普段これほど差のつくことはありませんでした)。同じことが、時価総額に対して売買量の薄いNTTと中外製薬の大幅上昇にも言えます。

このような銘柄の多い陸運業が週間+16%高、パルプも+15%高、空運+14%、水産農林+11%、電気ガス+10%高となりました。これだけ見ていると相場は大幅上昇したように見えますが、他の多くの業種は大きく下げており、日経平均も大幅安です。

株価が日銀のETF購入によって歪められ、日経平均かTOPIXのどちらを見て相場判断をしていくべきなのか、難しくなっています。しかし、もし日銀の介入がなければと考えれば、やはり相場は下げ基調継続で、安値を切っていただろうと思います。

金やJリートなどのいわゆる安全資産と見られているものも売られ、Jリートの配当利回りは5%超となりました。これはファンダメンタルの悪化というよりも需給悪化、つまり株式や原油が急落した穴埋めをするために売られているもので、現在の状況はチャンスと考える事は出来ます。

しかし、結局、新型コロナウイルスの感染拡大の落ち着きと封鎖や外出禁止令も解かれる目途が立たなければもう一段の下落もあるところです。

現時点でその予想は難しいので(つまりどこまで下がるかわからないので)、買い出動する場合でも、更に大きく下がっても大丈夫なように、ゆっくりと慎重姿勢でいきたいところです(欲を出しすぎない)。

資産が痛みすぎて余裕資金がないこと、大きな含み損で身動きが取れないことからバーゲンセール級に株価が下がっているけど買えないという現象が世界中で起きています。ここまで資産が痛みすぎると、おそらく、回復には現在起こっている値幅調整の上に(投資家の資金を回復させるための)日柄(時間)調整が必要になります。たとえば、個人投資家であれば、ある程度時間が経って、給料やボーナスなどがある程度入ってきて資金が回復していかないと買いを入れられないような状況です。

このような流れを考えると、おそらく株価のV字回復は難しく、株価が割安な状況は比較的長くなると予想されます。したがって焦って買う必要はありません。仮に慎重に行って、明確な底打ちが出てから買っても、良い買い物が出来るはずです。

逆に今、一番怖いのは欲を出しての無限ナンピンです。バーゲンセール価格だから買いたくなって買っても翌日に暴落がおこり、さらに下がって次々とナンピンしていき、最終的に大底をつける前に資金量が途切れてしまうようなケースです。

 

(4)今週の戦略

週末のダウは913ドル安も、シカゴ日経先物は大証終値比+480円高い17,030円で終えています。ドルが一段と買われてドル高となっており、ドル円レートは110円台後半となっています。

日本株は下がったのか上がったのかよく分からない週となりました。日経平均は大きく下がり、先行して3日続伸となっているTOPIXの後を追う可能性もあります。ただ一旦の反発があっても、この先1万2千円や1万円で権利行使となるプットオプションの売買が活発なように、まだまだ大きく下がることを警戒する投資家は多いものです。

株価が上昇組と下落組に分かれたのに対し、はっきりと大暴落したと言えるのがJリートです。保有する物件やそれが生むキャッシュフロー(賃料収入)からして、かなりの水準まで売られてきていつものと見えます。

 

―戸松信博

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欧米で感染ブレーク、米株指数は2月最終週超える下げ率」への2件のフィードバック

    1. 信博戸松信博戸松 投稿作成者

      コメントありがとうございます。
      良い情報をお届けしますのでお楽しみください。

      返信

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