2020年の為替相場を振り返る~USDJPY

浅野敏郎

「投資の学校」浅野敏郎
From 自宅の書斎より

12月も後半に差し掛かり、
いよいよ年末相場となりつつありますが、
何となくドル売りの流れが定着しつつある
という印象を受けます。

先週も軽く触れましたが、
主要3市場と呼ばれる
債券、株式、商品の各市場のうち、
株式市場は世界的に強含んでいます。

その他の市場はというと…
商品市場はコロナショックで暴落した後、
調整の買い戻しから本年終盤においてはやや
買い相場化してきた印象で、

株市場の強含みも考慮すると、
いわゆるリスクオン相場で一致します。

 
債券利回りはコロナ感染が広まる以前から
世界的な低金利政策を受けて
低利回りが一般的だった中、

コロナ感染を受けて、
一時的に悲観的な債券買いが強まり
利回りは更に急落したものの、

感染が収束せずに一層悪化している反面で、
利回りの低下は比較的留まっています。

現在の米10年債の利回りは1%弱と、
戻し基調にある中で、
これ以上の何かのリスク拡大が無い限り、
投資妙味がない債券を買う意欲は
基本的に低いとすれば、

債券市場に向かった資金或いは
向ける予定だった資金が
株式市場や商品市場に向かっていると考えても
不自然ではありません。

 
そう考えると
コロナリスクで投資が難しいと考えがちな現状
に隠れて、

その水面下では
相場が壊れないよう静か~に静か~に
グレートローテーションが始まっている
のかも知れません。

ということで、前置きが長くなりましたが、
本編では3大市場には入らないものの、
一大市場として君臨している為替市場の
2020年締めくくりを
2週に渡ってお送りしたいと思います。

——————————-
おはようございます。
今週も早や金曜日がやって参りました。

本年の金曜日も今週を含めてとうとう
残り2回となったところで、
2020年のスタートはどんなムードだったかを
確かめるために
自分の年初記事を読み返してみましたが、
期待感で満ち溢れていました…。

それほど、新型コロナは何もかもを
台無しにしてしまった訳ですが、

実生活とは裏腹に年末の各相場は
来年に向けて一筋の光が差しているような
状況です。

必ず、何度かはロングが振り落とされる場面が
あるとは思いますが、
絶望しかないような現在においては、
ただ、ただ、良い相場を祈るばかりです。
——————————

では早速と行きたいところですが、
その前に冒頭の補足を!

3大市場のくだりで、
グレートローテーション
という言葉を出しましたが、

簡単に言えば投資マネーが
安全資産とされる債券からリスク資産へと
流れる状態のことで、
3市場共にリスクオンで一致している状況
を指します。

 
そこで…
リスクオンなら為替の円は円安ではないか?
という疑問が出てきますが、
個人的には対ドル以外の円相場は、
まあまあの円安相場に見えなくはありません。

ただ今回は、
ドルに集まり過ぎた過剰流動性が
巻き戻されているだけの動きが
グレートローテーションに見えている可能性もあり、

特に為替に関しては
ドル売りがテーマだと仮定すると
全てのシナリオがそれなりに納得できるか
と思っています。

2020年ドル円月足

さてさて、
2020年のドル円月足チャートですが、

2020年は直近の12本になりますから、
これだけ見ると3月足の同時線が全てです。
特に以降の値動きは3月足の間での推移なので
どうにもなりません。

一目均衡表を借りれば、
各線の並びは昨年5月以来すっと下落ですし、
16年前半の大きな下落波動と
後半の大きな上昇波動
本年3月足の往来相場
どれに対しても
その半値以下で推移している限りは
下落目線を変える根拠は見当たりません。

既にサポート要因は唯一、
遅行スパンに対する先行スパンの下限しかなく、
くしくも3月足安値とおおむね一致しています。

ここを割り込むと
ブレークアウトのみならず、
転換線と基準が同時に下げることになり、
時間を考慮しない限りは、
2016年安値を試す展開が予想できます。

ドル円週足

週足を見てみますと、やはり3月の乱高下で
今年のレンジをやってしまった状況が良く判り、
その後は緩やかな下落相場になっています。

一目均衡表も、下落の位置関係に曇りは無く、
またつい先ほど、
下落相場になって以降の安値を更新し、
このまま終われば終値ベースで
乱高下以降の最安値になる状況です。

過去のブログをお読みいただければ
解っていただけるかと思いますが、
現状の転換、基準の両線は
現行足の安値が共に対象安値になるため、
同時に下落できる地合いは、
極めて弱い流れです。

ただ、比較的重要な安値を割れる局面でも、
相場は急落を見せる状況ではないことから、
ブレークアウトの順張りよりも、
戻り売りを意識したほうが有利な展開に
持ち込めそうな流れです。

ドル円日足

例の乱高下以降、比較的安定的に
下落相場を演じており、
移動平均線的には恐らく、
格好の売りシグナルを発し続けているでしょう。

ただ、下落相場であるにしては、
同じ値幅を推移する時間が、
上昇よりも下落に要した時間の方が長く、
明らかに下げ渋っていることに加え、

戻りも結構深いことなどから、
ショートを長期間維持して値幅を取るのは
難しい相場でした。

7月に106円を割ったことが
一つの分かれ目だったように見えますが、
このタイミングでショートを取っても
5か月以上かけて僅か3円の下落という事実は
実に運用効率が悪い相場だったと言えるでしょう。

現在のトレンドを見て、
買いからエントリーするのは
ある意味ルール違反だとすれば、
戻り売りでショートし、

安値更新で下値を伸ばすタイミングでは、
先ずは利益確定をするといった方法以外に
収益化は難しい相場だったと思います。

総括として

実践面では、
ドルを対円でショートキャリーすると
少ないと言えどもスワップの払いとなり、
多額で長期間保有する取引スタイルでは、
それなりのコスト負担を伴い、

日足の振り返りでも述べたように、
短期取引を繰り返すしか勝ち目はなさそうです。

段階的に発生した急激な上昇は恐らく、
クロス円の買いによる円売りカバー
だと推測できます。

 
ドルのロングは逆に
スワップの受け取りとなるため
こうした動きに乗じてドルを買い、
長めに持ちたくなる気持ちもわかりますが
結果として相場は下げており、

短期売買以外では結局ロングもショートも
トントンで終わるようなレンジ相場だった
と言えそうです。

このままユーロ相場でドル安が継続した場合、
実は円やポンドは必然的に
ドル安とならざるを得ない背景があり、
その根拠として
ドルインデックスが挙げられます。

一時期の対ドル相場は
ドル金利を見て取引するのが一種のトレンドでしたが、

2021年はドルインデックスチャートを見ながら
出遅れた通貨ペアをインデックスなりに取引すると
良いこともありそうな予感がしています。

 
ということで次週は
ユーロドル、ポンドドルを振り返る予定です。

 
 
浅野敏郎

P.S.
ご参考までに、トレーディングビューの
ドルインデックスCODEはDXYです。
どうしても見られない場合は、ユーロドル相場の
逆相関とお考え下さい。

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