矢口新のブログ

位置について、用意、ドン

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From 矢口新

6月16日のFOMCで、FRBは金融政策の現状維持を決めた。

一方で、2023年中にゼロ金利政策を解除する方針を示し、
これまで24年以降としていた利上げ時期の想定を前倒しした。

量的緩和の縮小開始に関しては、足元の物価上昇の加速は「一時的」との見方は変えず、
雇用の回復を確実にするため、さらに経済データを確認したうえで具体的な議論に入る考えを示した。

FRBは2019年7月に利下げを開始、2020年3月からはゼロ金利政策を採っている。
また、19年9月からは量的緩和も再開、20年3月からは債券購入額を急増させてきた。そうした緩和政策が、いよいよ出口戦略を迎えることになる。

FOMCの声明を受け、FF金利先物が織り込む利上げ確率は2023年1月時点で約90%となった。
声明前は23年4月の利上げを完全に織り込んでいた。

今回のFOMCでは、利上げや縮小開始の時期を近付けただけでなく、
政策金利であるフェデラルファンズ(FF)レートの設定を管理することに用いる2つの重要金利の水準を引き上げた。

FRBは17日付けで、IOERとして知られる超過準備預金に対する金利、民間銀行が中央銀行(FRB)に預ける現金に支払う金利を0.10%から0.15%に、
RRPと呼ばれる売りオペ金利を0%から0.05%に引き上げたのだ。その結果、FFレートは0.04%上昇、0.10%を付けた。

FRBがインフレ率上昇の加速を「一時的」だと繰り返していることから、
このままではインフレを抑えきれないのではないかとの懸念が出ている。

今回のFOMCでも確かに同じような文言を繰り返したのだが、実際には一歩踏み込んだ手を打ったことになる。

位置について、用意、ドンで利上げするのだとすれば、これまでの利上げや縮小開始の時期を近付けることは「位置について」で、IOERやRRPの利上げは「用意」に相当するのではないか? つまりインフレ率などの状況次第では「ドン」だけで、いつでもFFレートの誘導目標を引き上げることができるようになったのではないかと見ている。

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