ホッチキス
こんばんは、
水上紀行です。
ロンドンに駐在し始めたばかりの頃、
英国人のアシスタントに「ホッチキスある?」と尋ねたところ、
怪訝な顔をされました。
きっと、私の発音が悪いためだろうと思い、
いろいろアクセントを変えて、ホッチキスを繰り返し言ってみたものの、
やっぱりわからないというのです。
そこで、ジェスチャーを交えて説明したところ、
”Oh、Stapler!(ステープラー)”とやっとわかってもらえました。
日本では、ホッチキスと一般に呼ばれていますが、
英米では、ステープラーと呼ばれていることから、通じなかったことがわかりました。
ホッチキスという言葉は、明治中期に伊藤喜商店(現在のイトーキ)が
米国より初めて輸入したステープラーが、
E.H.ホッチキス社(E.H.Hotchkiss)の製品であったことから、
これを「ホッチキス自動紙綴器」と名づけて販売したことに由来しているというのは、
随分後になって知りました。
海外に駐在すると、ごく日常的な言葉を知らないと困ることが多く、
たとえば、定規のことをルーラ(ruler)ということも、私は知りませんでした。
また、
家関係の言葉も知っておく必要があります。
たとえば、水道の蛇口を修理してもらいたくても、
プラマ―(plumber、配管工)という単語を知らなければ、
電話帳で調べることすらできません。
それでも、まだ、
私の駐在は英語圏ですからまだ良いほうで、
他言語の地域に駐在された方々のご苦労はいかばかりかと思います。
確かに、世界各地で、
日本人に出会わないことは、まずありません。
反面、それは世界と関わり合いを持たなければ、
生きていけないのが日本の実情だとも言えます。
米国の衰退を語る見方もありますが、
たとえ米国は落ちぶれても自国の食料は自国で調達出来ますが、
算出方法(令和元年度のカロリーベース)によっては38%の食料自給率しかない日本は、
ひとたび事が起きた時、いったいどうなるのでしょうか。
(令和元年度の生産額ベースの自給率は66%)
これは、決して不安を煽る意図はありませんが、
私が日頃から気に掛けていることでしたので、申し上げさせていただきました。
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