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今こそ、中国からの訪日観光客を歓迎しては?

こんばんは、矢口新です。

日本政府観光局が1月17日に発表した2023年の訪日外国人数は
前年比554.1%増の2506万6100人だった。

しかし、2019年との比較では未だに21.4%減に留まっている。

とはいえ、数値は上向きで、10-12月期は19年比でもプラス、
10月が0.8%増、11月は0.0%減、12月は8.2%増となった。

一方、出国日本人数は前年比247.2%増の962万4100人だが、
2019年との比較ではすべての月でマイナスで、
23年通年では52.1%減だった。
参照:2023年 訪日外客数・出国日本人数(日本政府観光局)
https://www.jnto.go.jp/statistics/data/20240117_monthly.pdf

2023年の日本経済は7-9月期、10-12月期と
2期連続のマイナス成長でリセッション入りした。

上場企業の業績こそ過去最高で株高だが、企業倒産は15年ぶりに全7業種、
全9地域で前年を上回り、収入で借金の金利が3年以上払えていない
ゾンビ企業も急増している。

また、個人では実質平均賃金がマイナスの上に円安なので、
多くの日本人にとって経済環境的には海外は遠い存在となった。

上記の資料では、訪日外国人数2506万6100人のうち、
最も多いのが韓国で695万8500人と、19年比でも24.6%増だった。

次いで台湾が19年比14.1%減の420万2400人、
中国が74.7%減の242万5000人だった。

この数値で分かるように、2019年のトップ3は中国、
韓国、台湾の順で、それぞれ訪日客数は959万4394人、
558万4597人、489万0602人だった。

19年の数値の方がより細かいのは、
23年分はまだ推計値なため。

つまり、この4年間の円安進展にも拘わらず、
中国からの訪日客が約4分の1に減ったのだ。

中国で何が起きているのかは様々なデータからほぼ分かっているが、
訪日に関する象徴的な事柄をダイヤモンドのコラムから部分引用する。

(引用ここから、URLまで)

今年の春節連休(2月10日~17日)の都心では、大挙して繰り出す中国人団体客を目にすることはほとんどない。

中国人団体客が消えたのは、中国国内の大不況―不動産市場の低迷、株価の下落、常態化する失業、給与の遅配あるいは減給―が主因だが、理由はそれだけではなかった。

中国には海外旅行に行きにくい雰囲気がある。習近平政権は内需拡大を喫緊の課題に据えており、ましてや処理水問題は解決していないという立場を取る中国で、日本への旅行ははばかられるという空気さえあるのだ。

都内の大学で教壇に立つ中国人女性は「中国では国内旅行がいいとされ、海外旅行なら、習氏が『ビザなし渡航』に力を入れてきた一帯一路の沿線国がいいとされています。こうした中で、日本を渡航先として選びにくい。やむを得ず『こっそりと』と訪日する人もいます」と話す。

「コロナ禍前の中国では、旅行会社1社で数十人程度の訪日客は簡単に集めることができました。ところが今では『ここから2人、あそこから3人』と各地から拾い集めるのが実態で、それをなんとかツアーに仕立て、北京や上海に集結させて日本に送り出しているのが現状なのです」

「中国では教職を含む公務員はパスポートを職場に預ける形を取りますが、『海外旅行に行くのでパスポートを出してください』とは言えない雰囲気です。また、パスポートの更新手続きもあまりに複雑で、多くの人々の出国の意欲をそいでいます。さらに海外で使えるお金についても制限がかかり、銀聯などのデビットカードのみならずクレジットカードも限度額が低く抑えられるようになりました」(旺さん)

外国での散財を抑え込み、内需拡大に心血を注ぐ習政権下では、昨年10月からある“調査”が導入された。中国統計局が始めたその“調査”は、2000万元(約4億円、従事する業界により金額は異なる)以上の年収もしくは売り上げがある個人・法人は、「その金がどこから来たのか」という“資金源”を明示しなければならない、というもので、これが中国の、いわゆる“金持ち”を萎縮させているのである。

参照:中国人「春節爆買い」は終わった!中国政府の“縛り”に意欲を奪われる人々の本音
https://diamond.jp/articles/-/338900

上記コラムの内容は他から提供されている様々なデータと一致する。一方で別のメディアによれば、中国からの観光客はタイなど東南アジアを中心に訪れている。東南アジア諸国は、「近くて、安くて、中国人にやさしい」からだという。

「近くて、安い」日本にも242万5000人が訪れた。日本人も「中国人にやさしい」と思いたいが、今の中国人訪日客はある意味で、「日本行き」というリスクを取って訪れている、コアな日本ファンなのかもしれない。より大切にしたいものだ。

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