損失を取り戻すためには・・・
From:ニコラス・グールド
8月はプロトレーダーも夏休みになるので、
マーケットがいつもよりは動かない月になります。
とはいえ、みんながお休みになるわけではなく、
少なからずトレードしている人はいますから、
マーケットの動きには、
いつも注意しておく必要があります。
8月の注目は、17日(水)に公開される
7月度のFOMCの議事録です。
9月にアメリカの利上げが行われるかどうかは
引き続き大きな注目の的ですので、この議事録で
どんな内容が公開されるかは気にしておいてください。
市場にとって予想外の内容になれば、
きっと、マーケットも大きな反応をすることでしょう。
こういったサプライズがあったときの
大きな値動きというのは、
トレーダーにとって魅力でもありますが、
反対に損失の危険ももちろんあります。
そして、損失を出してしまったときというのは、
この大きな値動きを利用してなんとか取り返そうと
ムキになってトレードしてしまい、
さらに損失を膨らませてしまう・・・
ということがよく起こります。
このように「損失を取り戻したい」という気持ちで行うトレードは
まったくと言っていいほど、良い結果を生みません。
精神的にもイライラしていますし、
欲張った気持ちになっているので、
冷静さを失って、良いトレードができないからです。
では、損失を取り戻すためには、
何をしたらいいのか?
その方法は2ステップで行います。
損失を取り戻すための2ステップ
まず、1つめのステップは、
損失を出したときに、それをすぐに取り戻そうとすることを
やめることです。
具体的には、1日あたりのトレードの回数に制限をかけておく方法や、
1日あたりの損失額の上限を決めておく方法がとても有効です。
それぞれ、何回までにするのか、いくらまでにするのかというのは、
自分自身の取引記録を分析して決めます。
損失を膨らませているのは、何回くらいトレードしている時なのか、
いくら損をしてしまうと、1日の平均的な利益額を上回ってしまうのか
などを記録から分析するのです。
そうして、まずは
損失を出した直後に、さらに損失を膨らませることを防ぎます。
こうすることで、取り戻す必要のある損を
少なくしておくことが1つめのステップになります。
そして、2つめのステップー
それは、一回リフレッシュをして、
また新しいトレードをする気持ちになることです。
損失を取り戻すための
一撃必殺の魔法のような方法はありません。
また一からコツコツと利益を積み重ねるしかないのです。
だからこそ、あなたが「いつも通り」のトレードができるように
いったん仕切り直しをすることが必要なのです。
損失を出した流れでトレードすることは避け、
ひと呼吸置くなどして、メンタルをコントロールします。
そうすることで、
イライラして、無理なトレードをしなくてすむようにするのです。
そして、冷静になって、
落ち着いてチャンスを待つことができるようになったら、
トレードを再開します。
いつも通りのトレードの中で
コツコツと利益を積み上げながら
損を取り戻すのが、もっとも良い方法なのです。
どんな方法が有効か、どのくらい時間を開ければ良いのかは、
トレーダーごとにその方法が違いますから、
ここでもモノを言うのは
取引記録になります。
たとえば、損失をした後のトレードの心境、
その後に気持ちを落ち着けるためにした行動、
トレードとトレードの間の時間などを記録しておきます。
そして、トレードを再開した時に
どんな結果だったかを検証する。
こういうことを繰り返して、
だんだんと自分にとっていい方法を探していくのです。
取引記録が、あなたのトレードの良いところと
悪いところを教えてくれますから、
あなたは何よりも、
自分の取引記録から勉強することが大切なのです。
取引記録のレビューをするのは、
人によって頻度が違っていいと思いますが、
私がおすすめするのは、最低でも一週間に一回です。
なかには、毎日取引記録のレビューをする人もいまして、
そういった人は、上達も早いです。
ですが、最初だけやって、
後が続かないのは意味がないので、
自分がトレードしていくにあたって、
途中でやめることなく、ずっと続けられるペースで
レビューするのが、一番良いでしょう。
幸い、土日はマーケットがお休みですので、
月曜日から金曜日までの取引記録を土日にレビューする
というのが、無理なくできる方法だと思います。
あなたのトレードをもっとよくするためには、
取引記録をつけて、分析、改善することが必要です。
ぜひ、取り組んでみてください。
—ニコラス・グールド
ニコラス先生
いつも、ブログを見て勉強させて頂いています。自分のトレードで失敗した時のメンタルは、後で振り返ると取り戻そうとしていたことが多々あります。精神を落ち着かせることが、とても大事であること。トレード記録を付けて振り返ることが大事、というのは改めて思いました。