米国株は石油株主導で上昇転換だが、まだ要経過観察の段階

From:戸松信博
自宅デスクより、、、

おはようございます。
戸松信博です。

 

米国株は石油株主導で上昇転換だが、まだ要経過観察の段階
上昇転換翌週の日本株は連日の下落に

 

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<目次>
(1)グローバル相場見通し:
米国株は石油株主導で上昇転換だが、まだ要経過観察の段階
(2)市場は十分このリセッションの深さを織り込んでいない可能性もあるところ
(3)上昇転換翌週の日本株は連日の下落に
(4)今週の戦略
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(1)グローバル相場見通し:
米国株は石油株主導で上昇転換だが、まだ要経過観察の段階

 

【週間騰落率】
ドル(対主要通貨加重平均) +2.25% (100.58)
株 (S&P500指数)     -2.08% (2,488.65)
商品 (CRB総合指数)    +3.29% (127.96)
金(ニューヨーク先物)   +1.27% ($1,645.70)
原油(WTI)         +31.75% ($28.34)
債券(米10年債利回り)   -8bpts (0.60%)

 

□ニューヨークダウ・ナスダック推移

コロナショックから先々週の+10%を超える大幅高を経て、先週は比較的小幅な反落となりました。S&P500は週間で2.08%安、ダウ2.70%安、ナスダック1.72%安で、通常なら大きめの下げ幅と言えますが、変動幅の大きくなった今の相場では小幅な印象です。

 

そして下げたにも関わらず、米国株はテクニカル上、4月2日(木)に(短期)上昇転換と判定できます。しかし長期相場判定としては、このあとほぼ下落転換となっていく見込みです。というのも、長期200日移動平均線の角度は下向きを強めておりませんが、この後そうなっていくのがかなり高い確度で予想できるからです(突如株価がV字回復してコロナショックによる下落を帳消しにでもしない限り)。

 

短期的にも週間2%を超える下げとなりながら上昇転換など、これまで見た事のない現象です。しかしテクニカル上は23日の安値を下回らずに反発の芽が育まれ、先週の大幅高の時には出来高を増したフォロースルー上昇がでなかったものの、2日(木)にようやくそれが出て上昇転換となります。

 

ただし、以前から書いているように、これほどのベア(弱気)相場に入った直後の上昇転換は、うまく行かないケースが多いものです。そして2日(木)の上昇は原油価格の記録的上昇(一日で25%高)で、これまで売り込まれた石油株が大幅反発して相場を牽引したことによります。

 

石油株は過去には相場のリーダー役となった時もありますが、近年では、いわば相場の負け組であり、負け組が相場のリーダー役となる上昇転換は本物でないことが多いものです。俗に言うデッド・キャット・バウンス(死んだ猫でも、高いところから落とせば弾む)的な上昇転換と思います。

 

従ってテクニカル的には上昇転換となった米国株ですが、長期下落転換が迫るとみられる中、内容的にも弱いものです。上昇転換した翌日の3日(金)も早速下げ、早くも反落の芽が出たことになり、4営業日以降に再下落転換もありえるところです。つまり、今回の上昇展開は買い好機でない可能性が高いと言えるでしょう。

 

原油価格は、トランプ大統領がサウジアラビアとロシアが大幅減産に応じるとツイートしたことで、売り方の買戻しを巻き込んで週間+31.7%高と記録的な上昇となりました。それでもまだ28ドル台という安さです。まだ正式に両国が減産に応じたわけでありませんが、米国を含め状況改善の話合いが持たれる見込みです。

 

(2)市場は十分このリセッションの深さを織り込んでいない可能性もあるところ

□雇用統計とS&P500

先々週に328万人という記録的な数に達した失業保険の申請者数は、先週、さらに2倍増の665万人となりました。この統計は毎週木曜日に発表され、2週で1,000万人を超える前代未聞の状況となりました。

 

そして毎月第1金曜日に発表される前月分の雇用統計は▲70万人の減少となり、2010年以来のマイナスとなりました。市場予想は▲10万人減でした。

 

失業率は、半世紀来の最低水準だった3.5%から一気に4.4%に上昇し、1975年以降で最大の悪化となりました。エコノミストはこのあと10%台を大きく上回る深刻な不況を示す領域に入っていくと見ています。

 

このほか3月の米国新車販売が激減となり、ISM製造業景況感の総合指数は減速を示すマイナス域に入ったものの予想よりましだったのですが、その中の新規受注は金融危機以来の低い数字となりました。

 

これらの悪材料に対して株価の反応は薄かったのですが、今のロックダウンが続けばこのあと出てくる数字はさらに悪くなります。まだ月の上旬は経済のロックダウンはあまりなかったからで、今の悪さをフルに織り込んだ数字ではないからです。

 

今回の雇用統計で驚いたのは、市場予想平均が10万人程度の軽い減少となっていたことです。結果的に劇的な数字の落ち込みを見て驚いた、とするエコノミストもおり、まだ市場は十分このリセッションの深さを織り込んでいない可能性もあるところです。

 

米国主要企業の利益予想にしても、このあと第1四半期~第3四半期までがマイナス成長の予想となっていますが、それぞれマイナス5%や10%前後となっており、通期で4.6%程度の減少となっています。恐らくそのような軽い減速ではとても収まらず、マイナス50%近く落ち込む四半期も出て、通期でも20%減超となる恐れもありえると思います。ロックダウンで店という店が閉まり、そこには多くの人々が働いており、2週で1000万人も失業しているのです。5%程度のマイナス幅で済むとは考えられません。

 

勿論先のことは誰にも分かりません。急に感染ペースが縮小してロックダウン解除されれば希望が持てます。しかし現状は一段と感染拡大の勢い増しており、すぐに下がるだろうという希望的観測はあっても根拠はありません。専門家によると気温が少なくとも28度を超えないと自然減を期待できないとされ、悪いケースとして、あと2ヶ月もこのような事態が続くことも、一応準備しておいた方が良いと思います。市場を見ていると、まだそこまでの準備や心構えはできていない様子です。

 

もしも5月末までこの状態が続けば、その時に4月初めを振り返ればまだあの頃(今)はだいぶましだった、医療崩壊もまだ起きておらず、物流も通常通り動いていた、という事になるかもしれません。今から2カ月前を振り返れば、武漢だけの問題と見て株価は最高値をさらに更新しようという頃だったのです。あの時に武漢の異常な映像を見て明日は我が身と思えば、暴落を逃れられたでしょう。

 

政府がロックダウンや自粛要請を国民に告げることは割と容易です。感染拡大防止のためにそうしますと言えば納得されます。しかし、一度それをすれば、今後は「解除」という難しい作業が待ってます。これは何倍も大変な決断です。解除したあとに感染拡大など起きては責任問題となるからです。従って、「仮に」このあと感染ペースが落ちるとしても、なかなか解除はできないというのが第一に考えられることです。そうなれば財政も疲弊し、2兆ドルの対策など、景気の浮揚に使われるどころか失業や休業の穴埋めですら足りないでしょう(月間20兆ドル近い経済が2カ月も停止すればどうなるか)。

 

なお、トランプ大統領は4日のホワイトハウスでの記者会見で新型コロナウイルス感染による米国内の死者が向こう1、2週間でさらに急激に増え、世界大戦時に匹敵する数に達する恐れがあると警告し、「不幸なことに非常に恐ろしい期間が待ち受けている」とコメントしています。

 

もちろん、先のことは成り行きをみてみないと分かりません。たとえば、中国の例から考えれば、あと1~2週間ほどで感染者数拡大はピークに達する可能性もあるところであり、ニューヨーク州のクオモ知事は、同州では近いうちに頂点に達するだろうとの見方を示していますし、新型コロナの欧州の震源地であるイタリアでは死者数は減少傾向になっています。前述のように(今のところ可能性は低いですが)急に感染ペースが縮小してロックダウン解除となれば希望も持てるところです。

 

ともあれ、今は強気になるところではなく、要経過観察の段階と言えます。

 

(3)上昇転換翌週の日本株は連日の下落に

日経平均 17,820.19円 週間-1,569円 *過去最高値まであと+118%要

□日経平均
相場判定(長期):上昇トレンド継続中(2019/11/02~)
相場判定(短期):上昇転換(2020/03/27~)

注目セクター : なし

先々週に2,837円もの大幅高で上昇転換した日経平均ですが、先週は連日の下げとなり(最終金曜日は+1円高)、1,569円の反落となりました。やはりこのように大きな調整があった後の上昇転換は失敗する可能性が高いと、ある意味予想通りの展開となっていますが、今のところまだ再下落転換まではしておりません。

 

下落転換を逃れた理由は出来高です。連日のように下げるなか、出来高も連日下げ続けたのです。従って価格は大幅に下がっても、商いを伴った強い売り込みまで観測されず、上昇判定を継続することになります。これはテクニカルな理由です。

 

内容的には週間で大きく下げたように弱いものですが、日本市場も3月19日に付けた安値を下回るまでには至っていません。ただ、この16,358円の安値が底堅いものかどうかはまだ分かりません。先週に1万9千円台を付けたところから一瞬で1万7千円台に戻るところを見ると、市場はどのあたりが安値の着地点になるのか、まだ模索している状況です。

 

個別にも良くも悪くもコロナ関連が材料視され、外出自粛で全店休業を発表した鳥貴族、串カツ田中、ラウンドワンなどが大幅安、代わって有効な治療薬として期待浮上するアビガンに関わる富士フィルムやデンカが大幅高、このほかテレワークや巣ごもり関連、人工呼吸器や衛生用品関連なども大きく上昇しています。

 

このうちテレワークに関しては、各企業が在宅での仕事態勢を整えたり、学生が在宅で遠隔授業で学べる建設的な取り組みであり(在宅医療も)、今後も防災・防ウイルスの観点から長期にも有望と見ることができると思います。今の危機が去ってもまた新たな脅威が現れると思われ、テレワーク環境は未来の姿として必須と思います。一方、他の薬やマスク、消毒液などは社会全体で観れば今の困難を乗り切るための一時的コストであり、長続きしないと思います。

 

(4)今週の戦略

 

週末のダウは360ドル安、シカゴ日経先物は大証終値比5円安い17,675円で終えています。雇用統計が大幅に悪化しましたが、市場の関心は待ったなしとなっているニューヨークをはじめ、米国の感染拡大の状況にあると思います。

 

予定通りインバース型ETFを三度目の買い入れとしました。指値の読みが甘く、もっと安く買えたのでしたが、それでも大きく上昇しました。ここで三度目の利益確定とするか悩ましいのですが、日経平均のチャートも大きく反発して半分程度下げ戻し、小さな線を続けて戸惑っているところです。

 

ここからもう一度反発するのか、それとも安値更新を試しにいくのか、五分五分の予想というところです。全てはコロナ感染拡大か、それとも収束かというニュース次第となるでしょう。週末時点ではまだ予断を許さない拡大ペースが続いています。

 

一応、相場判定は上昇転換であり、再下落転換していないことから強気に見ることも可能です。ただ、何度も書きますが、このタイミングでの上昇転換は信頼度が低く、またマーケットは今後の経済指標や業績の悪化をまだ十分織り込んでいない可能性もあるところです。展開次第(感染次第)では二段、三段の景気悪化もありえます。

 

何か途中で決定的な好転換を意味するニュース(急に感染ペースが縮小したり、有効な薬が見つかるなど)がでれば買い転換すべきタイミングとも言えますが、今はそのあたりが見えないところです。

 

少なくとも金融政策や財政政策などの伝統的な景気対策だけでは決定的なニュースになりえません。

 

―戸松信博

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