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再び大幅反発の週に、S&P500指数の週間上昇率は1974年以来

From:戸松信博
自宅デスクより、、、

おはようございます。
戸松信博です。

 

再び大幅反発の週に、S&P500指数の週間上昇率は1974年以来
日経平均は前週の下げ幅を上回る上昇に、戻り高値に迫る重要ポイントへ

 

※※※※※※※※※※※※※
<目次>
(1)グローバル相場見通し:
再び大幅反発の週に、S&P500指数の週間上昇率は1974年以来
(2)本来上昇を牽引すべき強い銘柄が弱く、売り叩かれた銘柄の反発という構図
(3)日経平均は前週の下げ幅を上回る上昇に、戻り高値に迫る重要ポイントへ
(4)今週の戦略
※※※※※※※※※※※※※

 

(1)グローバル相場見通し:
再び大幅反発の週に、S&P500指数の週間上昇率は1974年以来

 

【週間騰落率】
ドル(対主要通貨加重平均) -1.09% (99.48)
株 (S&P500指数)     +12.10% (2,789.82)
商品 (CRB総合指数)    -0.11% (127.82)
金(ニューヨーク先物)   +6.51% ($1,752.80)
原油(WTI)         +19.69% ($22.76)
債券(米10年債利回り)   +13bpts (0.73%)

 

□ニューヨークダウ・ナスダック推移

反発から反落と続いた流れの中で再び先週は大幅反発となりました。コロナ感染者数は依然増えているのですが、増加ペースが緩やかになってきたこと、そしてFRBが2兆3千億ドルにもなる追加の金融支援策を発表したことで、いち早く回復へ向けた期待が株価を押し上げた様子です。

 

ただし、内容を見ると本格的な上昇ラリーの性質を帯びておらず、指数だけを見て楽観するには注意が必要です。

 

イースターの祝日で金曜が休場だったものの、週間の上昇率はダウ+12.67%、S&P500+12.10%、ナスダック+10.59%高と大幅なものとなりました。このうちダウは2週前の大幅上昇率に及ばなかったものの、S&P500とナスダックはそれを上回り、特にS&P500は1974年以来の週間上昇率となりました。

 

上昇の内訳をみると、銀行、リート、小型株、公益株、金鉱株指数がベンチマークとなるS&P500を遥かに上回る週間+16%~21%もの大幅上昇となりました。銀行、リート、小型株はこれまでコロナショックによって大きく売り込まれてきたもので、いわば相場の負け組であり、これらが急反発した形です。

 

さらに金鉱株と公益株の大幅上昇は、ディフェンシブで慎重な見方のマネーが入っていることにもなり、全面的に強気になれない構図となっています。日本市場でもマザーズ指数が+12.9%と、ベンチマークのTOPIXを5%ポイント上回り、いずれもデッドキャット・バウンス的な反発と見えます。

 

一方、S&P500を大きくアンダーパフォームしたのは業績好調な成長株の多いナスダック、そして半導体株指数などとなっています。

 

このところ主要指数ではナスダックのアンダーパフォームが目立つ一方、ダウが大きく上昇しています。ダウ構成銘柄の内訳と見ると、FRBの金融支援策により、大幅下落していた銀行株が一斉に+20%前後の大幅反発、そして売り込まれてきた銘柄の代表であるボーイング(BA)が+23%の上昇です。このところのダウは、いわばボーイングとエクソンモービル(XOM)が牽引してきたような感じで、こちらもデッドキャット・バウンスという様子です。

 

当社独自の米国株ランキング表でいえば、業績好調のトップ50銘柄がアンダーパフォームし、下位銘柄が大幅反発しているという様子にもなります。例えばアップル、アマゾン、アリババなども勿論相場に併せて上昇していますが、それぞれ+4~6%程度の上昇に留まり、大幅にS&P500をアンダーパフォームしています。

 

概ね世界の指数を俯瞰すると、52週安値~高値間の値幅に対し、現在半分から半分弱の位置まで戻したというところです。チャートを見ると、安値を付けてから一週おきに上げて、下げて、また上げてとなっています。

 

次はどちらに動くかというところですが、このあと経験したことのないような経済指標、業績の落ち込みが出てくる可能性があるところです。そしてどの程度ひどく、また長引くのかは現時点で未知数です。

 

そうした状況下で、ここまで戻したことが上出来と思えるくらいで、このあと50日線を超えていくほど上がり続けるのは、恐らく難しいと予想します。そこまで視界良好(このあとのV字回復がはっきり見えている)ではないからです。ここまで大幅に売られていた銘柄・セクターで売り方の買戻しが起き、同時に買い方の出遅れてはならないという焦りの心理が重なり、急反発してきたものと考えています。

 

そのほか米10年債利回りは上昇、また金価格が3週続伸で大幅高となり、1,700ドル台半ばと7年高値を更新しました。

 

原油価格については非常に粗い値動きで、前週の+32%高のあと▲20%安と大幅下落です。特にOPECプラスの枠組みで日量1,000バレルの協調減産が協議された9日の動きはトリッキーで、朝に12%も急騰して始まったものの、すぐに急落し、終わりでは▲9.3%の大幅安となりました。

 

かつてない規模の大幅減産(通常は100~200万バレル級の減産協議)ですが、メキシコ、米国が減産量で渋っていることと、これだけの減産をしても需要減の方が遥かに大きいとの見方が台頭してきています。これは原油に限った話でなく、コロナウイルス相場では、V字回復とみて急騰に飛びつくと、需要減や経済の落ち込みの奥深さが想像以上となって失速に合う危険性があると思います。

 

(2)本来上昇を牽引すべき強い銘柄が弱く、売り叩かれた銘柄の反発という構図

□フィラデルフィア半導体株指数

3連休前の9日(木)の米国市場は、ダウが+285ドル高となるなど続伸して終わり、日本市場などもこれを好感した動きとなりました。

 

しかし、この日の相場は、午後から急速に売りが強まり、連休前に反発を清算するように利益確定の動きもみられました。ダウとS&P500は朝方に一時+2.5%上昇していたところから、終値では半分の+1.2%高となっています。ナスダックは+1.7%高まで行ってから+0.8%高で引けました。

 

特に昼から売り鮮明となったのは、景気敏感で成長株の多いフィラデルフィア半導体株指数(SOX)です。同指数は週初の6日に+10%超上昇し、そして上の9日(木)では朝方にコロナショック後の高値を更新し、一時50日線をも上回りました。しかし昼から急転回して値を下げると、終値で▲2.33%安として引けています。週足チャートでは50日線に相当する10週線で長い上髭を出して弾かれています。同時に長期40週線が10週線を下抜けるデッドクロスも発生したところです。

こうして大幅高となった週の内容を見ると、本来上昇を牽引すべき強い銘柄が弱く、売り叩かれた銘柄の反発という構図で、また公益株や金がこれだけ上昇しているのも不穏な動きと感じられます。一応相場判定は上昇転換としていますので、上昇を追う場合でも恐る恐る試し買いを入れながら慎重に行きたいところと思います。

 

(3)日経平均は前週の下げ幅を上回る上昇に、戻り高値に迫る重要ポイントへ

 

日経平均 17,820.19円 週間-1,569円 *過去最高値まであと+118%要

相場判定(長期):上昇トレンド継続中(2019/11/02~)
相場判定(短期):上昇転換(2020/03/27~)

注目セクター : マザーズ市場、小型株

 

先々先週が+2,837円もの大幅反発(上昇転換)、そして先々週は▲1,569円の反落となっていた日経平均ですが、先週は終始強く、週間で+1,678円の反発となりました。一方TOPIXは+7.9%高で、1週前の▲9.2%安を全部挽回することはできませんでした。

 

リズム的には米国株と合わせ、上昇、反落、そしてまた上昇と週替わりでムードが変わり、先週の再上昇で3月25日に付けた19,564円まであと僅かの位置まで迫っています。

 

日本で緊急事態宣言が出て、強制力はないものの、また宣言後も感染者数は増える一方なのですが、とりあえずは外出が控えられることにより、徐々に収束に向かうという見方も出てきているのでしょう。

 

特に月曜(6日)の大幅上昇は、前日にニューヨークにおける死者数が初めて減少に転じたとするニュースが意外感を生み、一気に買戻しに転じたという様子があります。ただし、その後ニューヨークの死者数は再び増加しています。

 

相場のリズムは悪くなく、6日、7日と連日で商いを増やしながら大きく上昇しました。しかし3月9日~31日まで続いた相場激動時(大幅安と大幅反発)に比べると、半分か半分近くの売買に減少しており、特に週末に向けて(SQであるにも関わらず)値動きが乏しくなると同時に、売買代金も大きく減少していきました。

 

問題はこうして市場エネルギーの静まったところで19,500円の戻り高値ラインに来たことです。このあと上に突き抜けか、それとも反落かという難しい予想を要する重要局面です。

 

答えは誰にも分かりませんし、仮に相場観や方向の読みが当たっていたとしても、すぐにその逆方向へ流れてしまうことも相場ではしょっちゅう起こることです。例えば昨年末~1月半ばにかけての米国株について、不確かな状況からして「出来過ぎ、上がり過ぎ」と書いてきましたが、2月になっても一段とさらに上昇を続け、最高値更新が収まる気配はありませんでした。結局、コロナの影響もあり、2月末から上がり過ぎた分だけ大きく下がりました。

 

通常であれば上昇転換を信じてこのあと上に突き抜けが第一シナリオとなります。しかし今は異常事態で、考えにくいことばかり起こっています。そして感覚的に、今後予想される経済の落ち込みとその不確かさ(特にどれくらいの期間続くのか不明)からして、19,500円は十分高いところと思います。このあと2万円回復となると、それはあまりに早く回復を織り込み過ぎだと感じます。

 

まだ、経済の落ち込みや底すら見ていないのに、その後のV字回復路線が周知の事実として決まっているかのような感じで、その可能性は小さいのではないかと見ています。

 

したがって今週は反落を第一シナリオとして想定して臨んでみたいと思います。

 

(4)今週の戦略

米国市場の10日は祝日で休場となり、シカゴ日経先物も取引されておりません。大証日経225先物の終値は19,320円で、金曜15時10分時点から10円高とほぼ変わっていません。

 

一週前時点では下げを予想しましたが、ニューヨークでの死者数減少ニュースを機に大幅反発となっていきました。ただ、ここまで大きく上昇して2週前の高値に戻ったところで、さらなる上昇が続く可能性は小さいと考えます。

 

参考までに11日の日経新聞夕刊に載っている日経平均予想によると、証券会社など株式担当者136人の4月末予想平均は18,016円で、最高値の予想者は22,000円、最安値の予想者は13,800円となっています。調査期間は3/31~4/2日とされ、最終日4/2日の日経平均終値は17,819円でした。

 

現時点で4月末の予想平均値をすでに1,500円近くも上回っており、先週、これほど大幅高になるとは4月2日時点で殆どのアナリストも考えていなかったことになります。それほど皆今あるべき株価水準など想像つかない状況と言え、今後も思わぬ方向へ大きく動く可能性があります。恐らく一本のニュースを機に大きく反転するという状況が続くのでしょう。

 

―戸松信博

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