ベトコン
From水上紀行
もう、かなり昔の話ですが、ベトナム戦争の時、
武器もままならなかったベトコン(南ベトナム民族解放戦線)が、
圧倒的な軍事力を持つ米軍との戦闘でのエピソードを、
トレーディングと重ね合わせて思い出すことがあります。
それは、何機もの米軍機を、ベトコンは銃で撃墜したという話です。
米軍のジェット戦闘機は、地上攻撃の際に、コンピュータ制御による自動操縦を使用しました。
ベトコンは、米軍機が同じパターンで飛来してくることに気づき、
これを迎撃をする戦法を編み出しました。
その戦法とは、飛来してくるルートの中で銃弾が届く低空部分で、
空に大きな四角をイメージして、米軍機が飛んでくると、
その四角の部分に集中して銃で一斉射撃をし、墜落させたというものです。
この迎撃手法による、米軍の損害は無視できないほどに及んだと言われています。
このエピソードで言えることは、ひとつには、
相場でもパターン化して相場を見るということの危険性です。
たとえば、ショートのロスカットの入れ方が、皆が置きたくなるような、
たとえば、00超えとか50超えといった水準に集中すると、
そのパターンによってロスカットが集中し、
ロンドンのようにショートスクイズ(ショートポジションの崩し)を狙うものにとっては、
願ったりかなったりということになります。
もうひとつ、このエピソードから感じることは、
武器もろくろくなく経験度も十分でなくても、知恵と工夫によって、
圧倒的なマーケットの中でも、十分に生き抜いていけるということです。
皆と同じことをしていても、それは単にパターン化している中に加わるだけですので、
やはり独自の創意工夫が必要になるということだと思います。
創意工夫には、限りがありません。
ただし、あくまでも、フェアプレーで臨むことが大切です。
水上先生の教えは、渇いた喉を潤す様にスーッと入ってまいります。欲する側の気持ちを察しているかの様で先生との出会いに感謝しております。