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相場を起承転結で考える~「転結」編

「投資の学校」浅野敏郎
From 自宅の書斎より

相場は細かく上下しながら上昇したり下落したりすることは、皆さんも認識されていると思います。

買った後に何故か下落してしまい、損切ったあとの一週間後には結局、遥か高い水準まで上昇してしまった…といったご経験は、私を含め誰しもがお持ちかと思いますが、

こうした現象はまさに、上昇過程の押しにはまってしまったことになります。

相場が本格的な上昇トレンドに発展した場合でも、
その途中ではやはり細かく上下を繰り返し、稀に深めの調整を交えながら、
後から見れば大きな値幅を伴ったトレンドとして把握できる、というのが一般的です。

確かに短期的なトレードだと、通常はそこまでのトレンドを追いかけないため、エントリーに重点を置く傾向がありますが、

トレンドを追いかける場合、イグジットはエントリーより難しいと言われることが頻繁にあります。

今週は、この「転」から「結」の象徴ともいうべきイグジット(手仕舞い取引)について、簡単にイメージいただけたらと思います。

————————————————-

おはようございます。
今週も早や、金曜日がやって参りました。

読者の皆様の中には、高齢者となる方々もいらっしゃると思いますが、皆様は無事にコロナワクチン接種の予約はできておりますでしょうか?

私にも実は横浜市に居住する後期高齢者の父親がおりますが、
当然ながら自分でネット予約などできるはずもなく、電話予約ですら毎度、頭の数字からプッシュする始末ですから、積極的に介助に乗り出している状況です。
しかし、残念ながら未だに予約用の電話やネットにつながった試しはなく、つながった時には当日の受付が満了しているというのが現状です。

今回はワクチン接種の予約というのが主旨ではありますが、横浜市全人口の25%前後に当たる高齢者に対してだけ先ずは・・・という中で、この麻痺状態には改めて驚き、もし大規模な災害ということになれば、悲惨な結果が簡単に目に浮かびます。

横浜市の愚策が日本を象徴しているとは限りませんが、コロナで露呈した医療体制の崩壊懸念が云々という以前に、もっと根本的なはずの政治システムそのものが、実は既に崩壊していた、ということなのかもしれません。

また明日の朝もスマホを片手に、PCではネットアクセスに精を出したいと思います(泣)。

イグジットが難しい理由

「承」となるブレークアウトで方向性が出た相場がその通りに進んだ場合、その期間はまさに「転」にあたるトレンドのステージに該当することはご理解いただけると思います。

「転」となるトレンドの間は、含み益がどんどん積み上がっているわけですが、含み益が大きくなればなるほど、別の恐怖感を伴うものです。

それは、「転」の途中で幾度か発生しただろう調整で、含み益を減らす経験をしており、手仕舞いの決済をしない限り、含み益は自分のモノにならないことを知っているからです。

それが例えば、エントリーを意味する「承」の時のように、予めその兆しとなる「起」が見て取れれば、気持ちを切り替えることもできますが、

「転」の終盤(実際その時点では終盤として理解はできませんが)では、直近の値動きを見ても「そのまま継続」という兆し以外は全くない場合も多いことから、

少しでも反転した際には、我慢すれば再び含み益を伸ばせるとの思いと、このまま反転するのなら早めに決済すべきだとの思いが交錯します。

つまり、起承転結の「転」と「結」の間には、明確に認識できる値動きがない場合があり、「転」のどこかで突然「結」がやってくるように思え、実際に起こりうることが難しいのです。

分かりやすい「結」もある

ただ一方で、実際には「結」が認識できる形として、相場に現れる場合もあります。

実際の相場に対峙していると当初は気づけないとは思いますが、
手仕舞いを急ぐまでもない小反落から始まり、時間をかけて揉み合うケースでは、やがて自分が揉み合い期間にいることが判り、
それが次の「起」に向かって成長していることを認識できることがあります。いわゆる「天井固め」や「底値固め」という状況です。

もちろんこの期間を当面の「結」とみなして、一旦は手仕舞っても全く問題はありませんが、「起」として認識できる場合は、反対方向へ出た場合にのみ、「結」と「承」を同時に行うドテンをすれば良いことになり、これまでと同じ方向へ出るのなら、単に継続で済むという訳です。

最も恐れるべきは、上昇の「転」から一気に下落の「転」になること(その逆も然り)ですが、「転」から「転」になる相場は本当に実在するのでしょうか。

「転」から「転」が意味するところ

確かにナントカショックというような、トレンドからトレンドへと変化する極端な場合が稀にありますが、これを回避するにはストップロスでリスクを最小限に食い止める以外に方法はないでしょう。

しかし一方で、前日は上げて今日は下げた・・・とか、先週は下げて今週は上げた・・・というような、一見すると「転」から「転」ともいえる相場は普通に実在します。

ただ、こうした値動きは、誰もが知っている「揉み合い」の典型でもありますから、

極端な場合を除けば、トレンドからトレンドに発展することはなく、それ自体は実は揉み合いである、という一つの結論が見えてきます。

 
確かに1か月単位で見た場合、1か月目で400PIPS上昇して、2か月目で400PIPS下落する値動きもあり得るため、片道400PIPSの値動きを前述と同様にトレンドとしないと言い切るのは、実際にトレードするうえで無理があるようにも聞こえますが、月足で見れば確かに揉み合いなのです。

ただし、この2か月に限っては揉み合いでも、数か月の連続として例えば日足を確認すれば、何らかのヒントがあるのが普通ですから、それでも見いだせない場合は、偶然の結果論として切り捨てる勇気も必要です。

 
言葉だけですと何やら禅問答になってしまいそうですが、

話をもとに戻すと、
一つの相場(トレンド)には起承転結があり、もしトレンドを重視するとすれば、
一つのトレンドに対してはエントリーとイグジットは別物として考えた方が、
結果的には、トレンド終わりの揉み合いに巻き込まれる頻度も減り、
相場を単純にとらえることができるのではないか?
というのが、私の見解です。

一応これで、見出しにもなっている「相場を起承転結で考える」は終わりますが、次週は難しいことが多いイグジットの「結」について、イメージの共有に挑戦したいと思います。

 
 
浅野敏郎

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